私は、大学の出身学部が教育学部ですので町長に就任当初から教育には強い関心を持っていました。

卒業論文のテーマは、「現代における脱学校の社会論」でした。学校だけが教育の場でないことを論じました。

イヴァン・イリイチという思想家の『脱学校の社会』という著書が土台になってます。何度も読みボロボロになってます。

社会のあらゆるところに学びの場があり教師がいて人々は必要な学びを得れることを理想の社会としていました。

そうした教育の在り方を可能にするための道具の発達に強い期待感を持っていました。

コンピューターです。今でいえばスマホでしょうか。40年前に予言していたのですからイリイチの先見の明です。

卒論を書いてから19年後に町長となり卒論で書き込んだ社会の在り方を部分的に実現できるかもしれないと考えました。

あらゆる場が教育の機会だと捉えるのですから自分自身も時には教師、場合によっては生徒でありたいと思ってました。

学校でのあいさつには徹底してこだわりました。卒業式と入学式のあいさつは入念にイメージトレーニングしました。

決まりきった文言のあいさつは一切せずに自分の体験に沿って自分の言葉で伝えるようにしました。

卒業式では、事前に卒業文集を学校から借りて、将来の夢の部分を丹念に読み込んで話の題材にしました。

保育園児や幼稚園児の夢が面白かったです。男児は、野球選手からサッカー選手へと転換しつつありました。

女児は、ケーキ屋さんが多かった印象があります。今現在はどうなのでしょうか興味があります。

学校現場にもしばしば出向き、機会があれば、町長が語るみたいな場面を作ってもらいました。

町民向けにも「町長講座」を開設しました。地域の政治の課題を易しく解説する内容でした。

町長1期目に始めた教育関連の取り組みで特に印象に残っているのは「子ども議会」です。

小学6年生を対象に町役場の議場に来てもらい臨時の議員となって町長や役場の職員とやり取りするのです。

子供たちは学校で担任の先生と一緒に町について学んできた内容を整理して質問し提言します。

私が大半を答えました。答弁は、議場の幹部職員たちにも意識して聞いてもらえるよう工夫しました。

子供たちの提案は、夢のある内容が多く、すぐには実現できません。お役人答弁だとお金がないのでとなります。

夢は夢として受け止めてできることは何だろうと考えて、小さくても夢の実現に向けて実践する内容の答えにしました。

子供たちから「お化け屋敷」がしたいとの提案がありました。「よし!、やろうと。」答えました。

開成町で最も古いかやぶき屋根の古民家の寄付を受けてました。古民家を会場に翌年に実現しました。

提案は、放置してはダメです。実際に形にして初めて子供たちはどうすれば実現するのかという過程を実体験できます。

学校の教室の中だけが教育の場ではなく外にも学ぶ場があり、そして実際に何かを実現できるとしたら素晴らしい体験となります。