私の平成史⑱~安全・クリーン開成~
最近はあまり聞かれなくなりましたが、一時期大変に流行ったまちづくりの考え方に「われ窓理論」がありました。
空き家などの窓ガラスが割れているとごみがどんどん捨てられ環境が悪化し、犯罪も誘発するというものです。
感覚的にはよく理解できる考え方です。実際に空き地などでポイ捨てが始まるとエスカレートします。
それぞれの家庭でもそうだと思います。小さなだらしなさを放置するといつの間にか部屋がごみ屋敷みたいになります。
ごみのポイ捨てや落書きは、小さいうちにこまめに処理することが何よりの解決策だと思います。
開成町長になって前町長の山本久雄さんが「安全・クリーン開成」というキャンペーン活動をしていることを知りました。
私は、この活動を引き継ぎ、本気で取り組みました。落書きとの格闘でした。ガードレールや橋げた、ひどかったです。
見回ってテープで目隠ししたり色々やりましたが限界ありました。プロの協力も得てキャンペーンをしました。
高圧の洗浄機や業務用のインクを消す溶液を使って公園の掃除をしたこともあります。
中学生と一緒に橋げたの落書きを消したこともあります。コンクリートにしみこんだ落書きは難物でした。
地道でしたがこうした小さな取り組みの積み重ねが街をきれいにしていきます。絶対に馬鹿にできません。
昨日のブログでも触れたシンガポールの建国の父のリー・クアンユー元首相が就任当初国民に呼びかけたのは清掃です。
動員をかけて街並みをきれいにしたことが最初の仕事でした。大したことないような政策でも徹底すれば大きな成果を挙げます。
この手のキャンペーンは気を許すとすぐにほころびが出ます。開成町でもその兆候が伺われます。
時間があるとき孫君の幼稚園の送り迎えをします。幼稚園の脇を流れる水路にゴミが入ったプラ袋がいくつも放置されてます。
公共施設の周りでこうしたありさまは私が町長の時は絶対に許しませんでした。ただちに職員に指示を出しました。
水路が張り巡らされている開成町でこうした状態を許してしまうとすぐにあちこちで同じようになりかねません。
府川裕一町政の気の緩みを感じます。間もなく河川の清掃キャンペーンがありますので早急に取り組んで欲しいです。
清掃は、基本中の基本のささいな取り組みです。出も侮ってはいけません。町が美しいことは国の誇りです。
東京オリンピック・パラリンピックを控え日本中で清掃キャンペーンをする必要あります。
美しい国だと感じてもらえるいちばん手っ取り早い方法は、街中、どこを歩いてもごみが落ちていないことです。
落書きもないことです。東京都心の繁華街を歩くとごみの散乱が目立ちます。みっともないです。
立派な大げさな取り組みをしておもてなしなどというよりも清掃キャンペーンの方がよほど効果を上げる政策です。
美しい町並みは、樹木や建物の配置だけではありません。こみや落書きにも左右されます。
清掃キャンペーンは、国際観光振興策の柱のひとつに位置づけてもよい重要な取り組みだと思います。