私の平成史⑳~企業誘致1~

政治家の持つべき能力のうち、はったり、ほらふき、これらは不可欠な要素だと思います。

決まりきったことを的確に主張するのでしたら別の道を選んだほうが良いです。たとえば役人とか。

政治家は、役人が張り巡らせている既成の概念を打ち破る発想力とそれを実現する能力が求められます。

役人の頭にガツンと一発かますのは、はったりやほらはとても有効です。嘘つきにならない程度に打ち上げる度胸がいります。

5期20年開成町長を務めた私の父は「ほらはついてもうそはつかない」を信条としていました。

日本人が一般的に好きな少しずつとか徐々にとかいう発想ではなく始めに花火を打ち上げるのが手法でした。

地域の皆さんの一般常識を打ち破る話ですので与太話に聞こえてしまっても意に介しませんでした。

田んぼしかないような小さな町に小田急線新駅を誘致して小田原に次ぐ地域の副中心都市になると宣言しました。

(小田急不動産HPより)

そのおおぼらは、今まさに現実の姿となっています。ほらではなくまぎれもない開成町の姿です。

町長2期目で真正面から取り組んだ企業誘致は、父の行った勇気を奮ってアドバルーンを上げる手法に近いものでした。

ぶち上げてしまった以上はやるしかありません。死に物狂いとなってやっているうちに活路が開けます。

注意しなければならないのは方向違いのアドバルーンを上げてはならないということだけです。

町として絶対に不可欠でやらなければならない事業であるのならば最大限に大きな夢をぶち上げた方が良いです。

ちまちました夢ならば役人の方が上手に描きます。政治家ならば役人の度肝を抜くような夢を提示しなくては意味がありません。

私は、21世紀の日本は、頭脳の勝負の時代だと思ってました。知恵の時代と言ったほうが適当です。

このほど亡くなられた作家の堺屋太一さんが1990年代になりいち早く「知価革命」という世の中の捉え方を提示しました。

日本が得意とした工業生産の時代が終わり知恵自体が価値を生む時代に移行しているとの主張でした。

小難しい言い方で私の感性にはピタリとはまりませんでした。もっとズバリ本質を突く言葉を探しました。

私の知人で『究極の民主主義』という著書を出してる武田文彦さんという方がいます。

在野の企業経営者なのですが発想が極めてユニークです。武田さんは、「重脳主義」の時代が来るといってました。

商業、工業ではなく人間の持つ頭脳をどれだけ活用するか、これが問われる時代だということでした。

無名の武田さんの方の言葉の方に刺激されました。「重脳主義」の時代に相応しい企業誘致をしようと思い立ちました。

最先端企業の最先端研究所を誘致しようという発想に取りつかれました。当ては全くありませんでした。

でも企業誘致は、開成町の発展のために絶対条件となっておりやらなくてはなりません。

どうせやるのならば時代の最先端を狙おうと考えたわけです。棚からぼたもちは期待できません。自ら動きました。