騙されないために直観力を磨く

毎月勤労統計の統計調査の仕方に不正があり結果がゆがめられた可能性が明るみになり論議が続いています。

今度は、内閣府が今年1月の景気動向指数の速報値を発表し景気が後退局面に入った可能性が高いと発表しました。

安倍内閣は、戦後最長の好景気の継続を喧伝していましたので、大きく実態とことなることを宣伝していたことになります。

こうなりますと一般の国民は、何を信じてよいのかわかりません。政府に都合の良いように常に操作されているようなものです。

古代ギリシャの大哲学者、プラトンの「洞窟に比喩」をふと思い出しました。『国家』というプラトンの主著の中にあります。

真っ暗闇の洞窟の壁に映し出された映像を鎖でつながれた囚人たちは、常に見て過ごしています。

毎日がその繰り返しですので囚人たちは壁に映し出される映像がリアルな現実だと思い込んでいます。

しかし、実態は、囚人たちの背後で影絵を捜査している者たちがいるのです。彼らは囚人たちをだましているのです。

勇気ある囚人が鎖を振りほどいて逆を向き洞窟の外に出ました。まばゆい太陽に光に目がくらみ何も見えませんでした。

次第に目が慣れて太陽を見つめることができました。自分たちは真っ暗闇の中で繰られていることに気づきました。

暗闇の中では気づかなかった真実に気づいたのです。この囚人は覚醒しもはや繰られることはなくなります。

プラトンは、物事の背景にあるイデアという本当の実体を捉えることの大切さを訴えるためにこの比喩を用いました。

一般の日本国民の現状を読み解き、そこから脱するのに貴重な手がかりを与えていると思えてなりません。

現状は、情報を制限され偽りの映画をいつも見せられて洗脳されているようなものです。

いわば奴隷状態から脱出しなくては本当の実体は見えてきません。まずは脱出する勇気を囚人たちが持つことから始まります。

現状に甘んじていてはいつまでたっても鎖につながれたままです。鎖を解こうとする決心が不可欠です。

見えない鎖ですので、ひとりひとりが決心すれば鎖を解くことはできます。勇気にかかっています。

その上で真実を見ようと努力することが必要です。与えられた情報をうのみにしてはなりません。

これはひとりひとりの国民の努力だと思います。どこかに正しい情報を見つける手がかりがあるはずです。

インターネットの時代で情報は錯そうしています。混とんとした情報の渦の中から真実と思われるものを探し出す努力が大切です。

直観力を磨くことが大切です。何かうさん臭い、嘘っぽいと感じる感性を研ぎ澄ましていかなくてはなりません。

そのために大切なことは、プラトンの「洞窟の比喩」で言えば、太陽に向かった真実を求める高い志だと思います。

理想のあるべき姿を常に考えずしてうそは見破れません。本来のあるべき姿との比較において嘘が見えてきます。

ひとりひとりの国民がその気になればやれるインターネット時代の世直しの道だと思います。