私の平成史㉞~古民家再生7~
瀬戸屋敷シリーズの最終回です。瀬戸屋敷のこれからの在り方を考えてみたいと思います。
瀬戸屋敷は、2017年4月より指定管理者制度を導入しました。民間企業のノウハウの活用です。
受注したのは、オリエンタルコンサルタンツです。瀬戸酒造を復活させた会社です。
瀬戸屋敷と瀬戸酒造を一体のものとして捉えて地域の魅力を高めていこうという考えです。
民間企業が管理運営するようになって瀬戸屋敷内にカフェがオープンしたりして新味が加わってます。
瀬戸屋敷を支える瀬戸屋敷クラブの皆さんとのイベントにも新たな視点が期待できます。
しかし、重大な問題が潜んでいます。管理会社は、町の選考によって決定しますので永遠ではありません。
基本はあくまでも町なのです。町の意思があって初めて民間企業の活用か効果を発揮するのです。
町としての確固たる方針がどうなっているのか不透明だとの懸念を私はぬぐえません。
大規模な直売所や加工所を設置し、駐車場を整備していくとの構想が前進中だということです。
何のために何を目指してそういった施設整備をするのか、地域住民との話し合いは本当に充分なのでしょうか。
構想が明確に定まっているとは思えませんし地域と合意の上で進められているとも思いません。
瀬戸屋敷の民間委託をきっかけに町の関与が弱まり、あいまいなまま構想のみが独り歩きしている印象です。
このままでは、間違いなく袋小路に入ります。理由は、単純明快です。トップの意思がないからです。
瀬戸屋敷の再生に向けて本当に汗をかいた体験は全くなくただ単に町政を受け継いだことによる結果です。
瀬戸屋敷周辺地帯の活性化は、町北部に広がる田園地帯の中核に位置する重大問題です。
(町HPより)
田んぼを広げ美しい水田地帯をつくりあじさいを植えて全国有数の美しい景観を創り上げました。
その一角にあった古民家を再生し町のシンボルとしました。そして待望の酒蔵も復活しました。
ここから地域一帯をどのような地域へと持っていくのかがいま問われているのです。
農業を担う人たちに後継者はいるのか、有機農法を取り入れたり新たな挑戦は必要ではないのか。
地域全体に小水力などの自然エネルギーの導入を図る必要はないのか。問題山積といわざるを得ません。
農業を取り巻く厳しい状況の中で瀬戸屋敷があるのです。農業の視点を見失ってはならないのです。
瀬戸屋敷一帯の活性化は、開成町の農業の未来像と密接不可分なのです。議論が不十分です。
施設整備だけが先行してしまい周辺地域の農業の在り方は後回しとなってはいないでしょうか。
町北部の活性化を王道に戻す必要があります。地域の農業の存続という重大問題とセットで検討すべきです。
人口が増え勢いがあるかのように見える開成町、その陰で町北部の田園地帯の活性化が安直に考えられています。
ただちに修正すべきです。瀬戸屋敷を再生した原点に立ち返ってもう一度北部の活性化を考え直すことが不可欠です。