大将の殴り込み、功を奏するか!
今回の統一地方選挙でいちばんの話題は地方議員のなり手がいないということです。深刻な事態です。
そんな状況の中でここ一番の度胸を発揮して挑戦している男が神奈川県秦野市にいます。
有名なラーメン店なんつっ亭の大将こと古谷一郎さんです。自民党2人の独占かと思われた選挙区に殴り込みをかけました。
古谷さんにはドラマがあります。若いころはやんちゃで鳴らし警察のご厄介になったこともあります。
20代後半、一念発起してラーメン店を興し全国でその名をはせるようにまで成長させました。
2011年3月11日、東日本大震災が発生したことから古谷さんの人生に対する考え方が変化しました。
原発問題を始め社会の矛盾に強い疑問を感じました。このままでよいのだろうかという義憤です。
昨年5月、50歳の時、県議会への挑戦を決意したったひとりでコツコツと辻説法とミニ集会を積み重ねてきました。
県議選となると政党の旗を掲げないと選挙が戦えないということで主義主張の近い立憲民主党の公認候補となりました。
古谷さんには、個人的な私憤もあります。強烈に支援した若手県議が当選したとたんに自民党に鞍替えしたことです。
今回の選挙戦ではその自民党県議とぶち当たることになります。年下に負けてなるかというのが古谷さんの活力の源です。
立憲民主党神奈川県連の阿部知子代表は、古谷さんの政治への純粋な思いを大変に高く評価しています。
原発社会を終わらせなければならないという思いが共通していることも熱烈支援の大きな要因です。
しかし、立憲民主党には、組織がありません。支援が見込める労働組合をよりどころに運動を進めてます。
若い自民党の現職県議が走っています。ベテランの自民党県議から後継指名を受けた若い自民党新人も地盤があります。
ここに古谷さんは、徒手空拳に近い形で割って入ろうとしている訳です。並大抵の戦いではありません。
秦野市民の政治意識が問われている選挙だと思います。自民党だけを市民の代表として県議に送りこむべきなのか否かです。
もっと多様な声を県政に反映させることが必要ではないかという良識が働くかどうかが問われます。
秦野市は投票率が低いです。前回はかろうじて40パーセントです。古谷さんにとってはここがネックです。
古谷さんの登場で県議選への関心が多少は高まっていると見られますが投票に結び付くかどうかは不透明です。
2人の自民党候補の厚い壁を破るには、無党派層の投票率が上がることがカギとなります。
秦野市には、他都市から移り住み投票へ通う方が大勢住んでいます。この人たちが動くかどうかだと思います。
もともと秦野市に住んでいる方々のすみわけは固まっていて古谷さんが割り込めるとしても票の拡大は難しいです。
もともと反自民の方々の票に加えて新たな層の掘り起こしが古谷さんの勝利には絶対必要です。
選挙戦の街頭活動などを通じて盛り上げるしかほかに方法はありません。純粋な古谷さんの思いが成就することを願ってます。