中国の循環経済産業モデル都市建設を考える。

昨日、ひょんなことから東京新宿副都心のホテルで開催された事業発表会に参加することができました。

中国の習近平主席が首都機能の移転先として発表し注目を集めている河北省保定市のモデル的都市づくりについてでした。

愛知県瀬戸市で革命的蓄電技術の開発を進めようと努力している75歳の技術者の話をブログで書きました。

世界最先端の蓄電技術を持っている兵庫県川西市の富士色素の社長が発表するとの情報がメールで届きました。

いちど話を聞いておくべきだと思い立ち参加者の中に入れてもらい、中国・保定市政府や企業の発表を聞きました。

ウィキペディアによると保定市は面積22000平方キロ、人口は1089万人となっています。

広大な市域の中の一部、240ヘクタールに日本と中国の協力で循環経済産業のモデル地域を創ろうということです。

モデル地域は、神奈川県で一番小さい町、開成町の3分の1弱です。投資額は1650億円となってました。

豆粒のような地域に破格の投資を行い一気にモデル地域を創ってしまおうというエネルギーには驚嘆します。

環境に配慮したモデル的な住宅産業誘致と住宅展示場、植物工場、先進産業を観光できる基地などを建設するとしてます。

住宅建設に関する技術者育成センターを建設し人材の育成を同時進行で行う方針も決められてます。

率直な印象は、住宅建設産業を中心とするテーマパークの建設のような印象を受けました。

トヨタホーム、東建などの日本企業が参入を決定し最先端の住宅建設技術を活用してモデル都市建設に貢献します。

一気呵成にモデルを創造して中国全土に展開する足掛かりを得るという手法は、中国のお得意技となってます。

現代中国の経済力を背景にした戦略です。しかし、一方で効率的な手法一辺倒で良いのかという疑念もあります。

現代の中国、どこに行っても開発優先で地方都市でもにょきにょきと高層ビルが立ち並んでいます。

古い市街地は壊されて住民は高層マンションに移り住み景観は一変し、個性のない町並みに変わっています。

都市を創って行く際にバランスがかけているのではないかと思えて仕方がありません。

テーマパークのようなモデル的都市を創るにしてもバランスに配慮することが不可欠だと思います。

昔ながらの田園風景をもう一度再生するエリア、エネルギーの消費を極端に抑えたゼロエネルギー住宅エリア。

そうした住宅建設を支える最先端工場や研究所のエリア。企業も自然エネルギーによってエネルギーを賄います。

技術者養成のための学校を配置し教育への投資が都市の活性化につながることを示していきます。

そうです。神奈川県開成町のまちづくりを土台にして自然エネルギーの活用を徹底するイメージです。

開発と環境保全、歴史文化遺産の再生のバランスをとることが未来都市の絶対条件だと思います。

効率のみを求めて結果としてバランスのよくないごった煮のような都市となってしまってはモデル足りえません。