大阪維新の会による改革路線の完勝
7日の統一地方選挙の最大の注目選挙、大阪府知事、大阪市長のダブル選挙は、大阪維新の会の圧勝劇となりました。
大阪維新の会は、府議会で単独で過半数、市議会でも開半数に迫るという圧勝劇でした。
大阪維新の会は、自民党が反対し公明党もその戦列に加わり包囲網を形成され苦境に立たされました。
松井一郎大阪府知事、吉村洋文大阪市長の維新コンビは両者辞職してダブル選挙に打って出るという捨て身の戦法を取りました。
2011年11月に当時の橋下徹大阪府知事が放った戦法の再現でした。窮鼠猫を食むといった様相でした。
結果は、猫を食むどころが制覇してしまった感じです。大阪維新の会の復権が確定しました。
新たに大阪市長に就任する松井前府知事は、当選後のインタビューで「慌てない」と答えていました。
大阪都構想の実現を急がないということです。4年かけて住民投票の実施時期を探るということです。
私は、この慎重な姿勢を堅持する限り大阪維新の会による改革路線は一層盤石になると思いました。
大阪市を解体し東京都のように「都」と「特別区」に再編するなどという大改革を手品にしてはなりません。
橋下徹市長時代に劇画にしてしまった付けが今日までの混乱をもたらした一番の原因です。
橋下市長は、強引に住民投票にまで持ち込み2015年5月に大阪都構想の是非を問いました。
敗れれば自ら辞職すると自らを瀬戸際に立たせて事実上の橋下市長の信任投票の形をとってしまいました。
大阪都構想の中身の議論はそっちのけで橋下市長を支持するのかどうかに議論がすり替わってしまいました。
住民投票は小差で橋下市長の敗北となりました。私は、この結果に天の意思を感ぜざるを得ませんでした。
現状を刷新したいという熱意は、ただならぬもので評価できるものの一気呵成は大きな副作用をもたらすという警告です。
橋下市長は約束通り政界から退いて、大阪都構想は、松井知事・吉村市長コンビに委ねられました。
今回の統一地方選挙が最終決戦だと思います。結果は出ました。大阪維新の会の完勝です。
大阪府民、市民は何を評価したのでしょう。私は、府と市が一つの方向を向いて改革を推し進めたことだと思います。
大阪都構想の早期実現ではないと思います。改革路線の流れを止めないで欲しいとの意思ではないでしょうか。
全国どこの地域においても広域行政を担う都道府県と直接住民と向き合う市町村の間には溝があります。
とりわけ大阪のような巨大都市では、府と市の仲たがいは日常茶飯事で常にぎくしゃくしてました。
この状況を一変させたのが橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会による改革路線でした。
府と市が一体となって改革を推し進めることで二重行政の弊害は取り除かれることになります。
この路線に対する評価が出たのです。大阪都構想は二重行政の解消の延長線上にあります。
決して急ぐことなく十二分な議論を積み重ねて合意点を見い出す努力を怠らないことが実現の近道だと思います。