生活保護を考える。

生活保護法の改正案が衆議院で可決しました。不正受給を無くすために罰則を強化すること。自立のための給付金を創設することなどが主な内容となっています。

受給者は200万人を超え増大する一方です。今回の改正は、こうした事態を受けて生活保護受給者を減らし給付額を抑制するというものであることは明らかです。

財務省の発想です。タレントの不正受給問題がマスコミで取り上げられたことを上手に活用し不正受給防止キャンペーンを張りました。巧みなメディア利用です。

極端な例を強調することであたかも大がかりな不正受給が行われているかのような幻想をまき散らし世論を味方につけようとしたのだと思います。

大多数の対象者は正当な手続きで需給を受けています。本来ならば給付を受けられるのに後ろめたかったり手続きが判らなかったりして受けていないことの方が問題です。

捕捉率という言い方をしますが2010年、日本は15パーセントから18パーセントという分析があります。大多数が漏れてしまっていることになります。

今回の改正案は目に見えている生活保護者の数を減らす効果しかありません。潜在的な生活保護者も含めた抜本的な対応には程遠いのが現状です。

新自由主義的な政策で格差の拡大が根本です。ここを改めない限り生活保護の問題は解決しません。競争原理では自立したい人を排除します。

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