プラトンと理想の地域づくり
最近。古代ギリシャ哲学の創始者のひとりで西洋哲学の巨人、プラトンにすっかりはまってます。
きっかけは、「新しい道」です。日本人としての生きざまを「みたまさま(魂)」の在り方から問うている教えです。
折に触れて2か月に1回、開成町で開かれている勉強会のことをブログで紹介してます。
杉田廣善さんが講師となって参加者に教えを解説しています。キーワードは、「天」と「みたまさま」です。
全ての日本人は、世界の創始者である「天」から、「みたまさま」を分け与えられているとしています。
「みたまさま」は、その人が人生においてどう生きるべきかの筋道を全て知っっている絶対の存在です。
しかし、欲望にがんじがらめにされている人間は、「みたまさま」が示す筋道が見えません。
「新しい道」では、全てのできごとを、喜んで受け止めることで、理想の生きる道を見つけることができるとしてます。
私は、「新しい道」の教えは、プラトンが、イデアと呼んだ絶対の善の世界の考察と全く同じだと思うようになりました。
プラトンが生涯をかけて目指したことは、ひとりひとりに宿る「魂」を善すなわちイデアの世界に向けるための考察でした。
プラトンは、「魂」は不滅と考えていました。肉体が滅びれば「魂」はイデアの世界にもどります。
死んでしまってからでは遅いです。肉体が死する前にいかにしてイデアの世界を知り、どう生きるかが課題となります。
プラトンは本来は政治家を目指していました。どのような国を創るかの考察を優先しました。
最終的に得た結論は、哲学者が政治を行うか、現実に権力を持つものが哲学をするかのどちらかだとしました。
研究室にこもって古典を読む意味で哲学者を捉えてはプラトンの言っていることが正確に伝わりません。
イデアの世界を知りよりよく生きるためにはどうするかを思索し、実際に実践する人のことを哲学者といっているのです。
プラトンのこの考え方は、エリートによる全体主義とされて激しい批判を現代において受けたこともあります。
これはプラトンの哲学への誤解から生じていると思います。プラトンは、権力を志向していませんでした。
理想の指導者について権力を権力を求めることが最も少ない者がその座に就くことを理想としていました。
権力を求めずに権力を行使して理想の国を創るというのですからこれは神業というほかはありません。
しかし、プラトンの理想を捨ててはなりません。現代社会の行き詰りから脱出する道を示していると思うからです。
より良い理想の社会のビジョンを共有する者たちが権力を求めることなく理想国を求めることは可能です。
まずは、プラトンの言うところの「哲学者」が集まり理想のビジョンを描くところから始まります。
理想「国」を理想の「地域」と言いかえれば、どんな地域においてもプラトンの哲学は応用できます。
ビジョンづくりが第一歩です。集うものには、既存の計画を全て捨てゼロからやり直す覚悟が求められます。