争点の先送り、隠ぺいは、姑息
菅官房長官の「野党提出の内閣不信任案は解散の大義になる」発言に続いて今度は党首討論が憶測を呼んでます。
2012年暮れの解散総選挙は、当時の野田総理と安倍自民党総裁との党首討論での激突が解散に直結しました。
来月19日に党首討論が行われることが決まりました。衆議院解散、衆参同日選挙の引き金になるのではないかとの見方です。
私は、すでにブログでも書きましたように衆参同日選の可能性大いにあるとの見方です。
統合型リゾートの核心をなすカジノの基本方針の発表を先送りしました。参院選だけを配慮してのことではないでしょう。
カジノ解禁に対する国民の不信感は根強いです。衆参同日選挙となっ場合の影響を考慮したと見るのが常識でしょう。
法律まで作り、カジノ解禁を明言しているのに基本方針だけは見せないというのはいかにも姑息です。
国がとばく場を開帳するようなものです。これまで明快に禁じていた方針を180度変えたのです。
何のためのカジノなのか、国民の信を問うのは当然のことでしょう。選挙に勝つために逃げました。
日本経済に刺激を与える施策については万策尽きたので、ばくちに手を染めざるを得ないのならば堂々と説明すべきです。
カジノは、巨額なマネーが動き、1兆円産業に達するとの観測もあります。選挙に勝った後で公表で済む話ではありません。
争点隠しを許さず、公表を先送りしたこと自体を選挙の争点とするようカジノ反対の野党は政府の姿勢を追求すべきです。
一方でひょっとしたらパフォーマンスではないかという疑念が拭いえない安倍総理の振る舞いもあります。
北朝鮮の金正恩委員長と前提条件なしに話し合いたいという呼びかけです。態度の豹変が不自然です。
アメリカのお先棒を担ぐかのように北調整への経済制裁の強化を主導してきたのは安倍総理でした。
米朝首脳会談が実現してから安倍総理の立場は苦しくなりました。かやの外状況です。
北朝鮮を取り巻く主要国で日本だけが金正恩委員長と首脳会談を行っていないことから明らかです。
日朝間に突き刺さる懸案の拉致問題の解決にはトップ同士が会わないことには始まりません。
そこで繰り出したのが前提条件なき首脳会談提案です。しかし、これにはまやかしがあります。
安倍総理の後ろ盾のアメリカが前提条件なしなどという会談に同意するのかという根本問題があるからです。
間もなく来日するアメリカのトランプ大統領との間の日米首脳会談では共同声明は見送りとの報道があります。
北朝鮮問題をめぐる見解の隔たりが大きいためとの解説がなされています。おかしな話です。
アメリカが承知していないのに前提条件なしに会談が実現する可能性があるのでしょうか。
選挙があるからという理由でアメリカの了解を水面下で取り付け選挙に勝つための姿勢として発信している疑いが消えません。
安倍政権と距離を置く野党は安倍政権の真実を暴き出し選挙の争点化を図り国民の議論を巻き起こす責務があります。