神奈川大学法学部の政策過程論では開成町のまちづくりを題材にして成功へと導く基本的な考え方を講義してます。

地方公務員志望の学生も多いようなので現場で役に立つように具体的な話を心がけてます。

開成町のまちづくりについてはこのブログで数えきれないぐらい語ってます。極めてシンプルです。

長期展望になった土地利用構想を基本とする長期ビジョンの策定と堅持が全ての土台になりました。

土地利用構想は、狭い町域を3分割して田園空間の保全、快適な住宅地、それと開発地域としました。

この3分割の土地利用構想の上にあじさい、自転車、古民家再生、企業誘致、小学校建設を展開していきました。

これはそっくりそのままあらゆる地域に応用可能な手法だと学生たちに語っています。

それぞれの地域にあった形に調整していけば間違いなく成果は上がると私は確信してます。

成果とは、現在の開成町です。人口が増えて子供の数も安定するということにつながるということです。

なぜ成果が上がるのかという根本を整理してみますと、いのいちばんは、土地利用の厳格さです。

利用しやすいところだけ利用するという発想ではパッチワークになってしまいますので断じて避けなければなりません。

続いてバランスです。これも土地利用構想の厳格化に負けず劣らず重要なポイントです。

景観保全と開発の両者のバランスをとるということです。どちらか一方に偏ることは好ましくありません。

開成町は、町の北部の美しい田園景観を保全する地域と小田急線開成駅周辺の開発地域のバランスをとりました。

景観保全にばかりにこだわっていては活気が失われます。開発に偏ると環境破壊につながります。

バランスをとることです。エリアを区切って保全と開発のどちらかを重点とする区域を分けて整備をすることです。

神奈川県で初めて過疎地域に指定された真鶴町には、美の基準という全国的に注目されたまちづくり条例があります。

基本的な考え方は開発抑制です。美しい景観を保全するという考え方で一貫しています。

一世を風靡したと言って良いほど関係者から注目を集めましたが人口減少をもたらした要因のひとつだと思います。

規制が厳しいというイメージは民間開発業者の意欲をそぐ効果もあります。開発がなければ人口は減ります。

美しい景観保全と開発とのバランスが崩れたことが人口減をもたらす要因ではないかと私は見ます。

赤ちゃんが減り続けている傾向の中で人口を増やすには移り住んでもらわなければなりません。

地域を決めて景観の配慮した形で開発をすることは止む得ないと思います。そうしなければ町は衰退します。

そして誰もいなくなったでは困ります。外から訪れる観光に頼ればよいで済む話ではありません。

本当の観光の意味は、地域の光を観ることです。地域の共同体がしっかりしていることが、大前提なのです。

町全体の活力を維持していくため景観保全と開発のバランスをとることは、重要なまちづくりの指針です。