世界の箱根の人口減少問題を考える
神奈川大学の講義の一貫したテーマは人口減少問題にどう対処するかです。世界の箱根をテーマにしました。
1995年箱根町の人口は、18411人。開成町は、12698人、現在は、開成町が17907人、箱根町は、11355人。
人口減少の結果、箱根町が廃れているのかと言えば全くそうではありません。観光都市は活況に溢れてます。
入込観光客数は、2126万人と依然として堅調です。外国人観光客の増加が目立ちます。
休日に限らず玄関口の箱根湯本駅はいつも賑やかです。祝日となると子供も一緒の家族連れの観光客も目立ちます。
観光客のこうした姿を見ると子供の数が減っていないのではないかと誤解をしてしまいます。
ところがです。箱根町の1年間に生まれる赤ちゃんの数は2017年で48人です。35人学級ですので2クラスです。
現在箱根町の小学校の数は3です。3小学校のままで行けるかどうかきわどいところに来ていると言えます。
小学校は地域コミュニティーの中心ですので小学校が閉鎖されてしまうと地域に活気はそがれます。
もっと深刻なことは、女性が一生の間に産む子供の数が極端に低いことです。東京より低いのです。
2015年が0.78、16年が、1.02、17年が0.74です。東京は直近のデータで1.2です。
日本の人口を減らしている大きな要因として東京への一極集中が進めば進むほど人口が減ることがあります。
東京は、合計特殊出生率が非常に低いので赤ちゃんが生まれないからです。箱根町はそれ以上です。
一方、外から移住してくる人を増やそうとしても箱根は観光地や保養地であり住む場所として選択するか疑問です。
箱根山の中の町ですので交通の利便性に問題があります。バスが通学の手段では子育て世代は腰が引けます。
箱根町が観光客で賑わっていることが抜本対策に打って出るタイミングを遅らせている可能性もあります。
今賑わっているからと人口減少問題の深刻さが薄れてしまうという恐れが多分にあるからです。
私は、問題解決の最強の一手は、国を巻き込んでの大胆不敵な基盤整備しかないと思ってます。
静岡県から箱根町、箱根町から神奈川県へと抜くトンネル路線を中央部に設定し抜くことです。
箱根町南部を走る国道1号線は曲がりくねってます。東名高速は、静岡県御殿場市がインターです。
世界的観光地の箱根で大災害が発生した時に円滑な非難ができるとは到底思えません。
国道1号と東名高速の間にもう一本幹線道路が防災対策上必須だと思います。国へと提言すべきです。
この幹線道路があれば箱根町の交通の利便性は格段に向上し箱根に住んで通勤通学は可能です。
基盤整備があって始めて人口増が現実的になってきます。基盤整備なしで増やすのは絵に描いた餅です。
箱根町は、繁栄を極めている今こそ将来を見て大胆不敵な基盤整備の実現へと動き出すべきだと思います。
人口減で地域社会を崩壊させてしまっては本当の観光は危ういです。地域の文化が健在でこそ本当の観光は成り立ちます。