外国人観光客とどう向き合うか

昨日の神奈川大学の講義ではゲストを迎えました。箱根・仙石原の富士箱根ゲストハウス代表の高橋正美さんです。

人口減少の日本にとって国際観光の重要性は言うまでもありません。日本中のまちづくりの課題といっても良いです。

高橋さんは、1984年に外国人向けの民宿のような温泉施設を開業されて35年です。

部屋数14室、料金は5000円、75か国から延べ16万人の観光客が利用されました。

欧米が60パーセントと多いのが特徴です。昨年に利用者のトップはフランス人で1303人です。

中国は4位で1137人。増えてきました。専門職の方が多いです。国連職員や、研究者、大使も利用されてます。

今でこそ「インバウンド」という言葉は一般的になってきましたが、開業当初は全くの無理解でした。

団体旅行でツアーコンダクターと通訳がいて整然と動くのが外国人旅行というのが常識でした。

高橋さんは、その常識を打ち破り個人の旅行、家族の旅行と向き合ったのでした。革命児です。

日本の観光業のメッカの箱根で革命を仕掛けたのですからたいそうな勇気が必要でした。

周囲の雑音に耐えました。そして、東京オリンピック・パラリンピック。インバウンド4000万人だと言われます。

80人ほどの学生に異文化交流とは何かを高橋さんの実体験に基づいて講義に聞き入ってました。

高橋さんは決して大声で喚起するような話し方の人ではありません。静かに語るタイプの方です。

しかし、確信に満ちています。自分の手でゼロから立ち上げて今日まで継続させた自身がみなぎってました。

出会い、触れ合い、学びあいと高橋さんは言われました。高橋さんの事業の特色は外国人との交流にあります。

外国人の旅行者は、高橋さんのゲストハウスのロビーで交流の時間を持ちます。これがいちばんの特色です。

出身国はまちまちです。人種も言葉も異なります。出会って触れうことでお互い学びあいが起こります。

学びあいは一方通行ではなく双方向です。互いを尊重し認め合わなければ学びあいは起こりません。

日本人は、外国語が苦手で壁をつくってしまいがちです。この壁を破るためにはまず覚悟がいるとのことでした。

氏素性全く異なっているのですから多少のトラブルが起こるのは当たり前と肚を決めることだと言ってました。

言語の壁は、心で補えると語ってました。出会って、触れ合って、学びあおうとの思いと言い換えても良いと思います。

高橋さんは日々ゲストハウスのロビーで学びあいの現場の高揚感を目撃していすので説得力があります。

高橋さんは、思いやりの心、サービス精神、道徳精神の大切さ、3点を強調されました。

前のふたつはわかりますが最後の道徳精神とは何かが気になりました。どうやら日本人の心だということがわかりました。

お互いが平らな目線で向き合い受け止め、出会いをこの上なく大切にすること、一期一会です。

茶の湯の心だと高橋さんはまとめられました。日本人の伝統的な心に立ち返ることにほかなりません。