多様性が持ち味の日本文化案内

14日、東京・湯島での勉強会には、開成町にホームステイ中のアメリカの大学生、ザンダーさんも一緒に参加しました。

東京案内をしました。まず明治神宮に参拝しました。日本文化の根本を為す天皇制からスタートです。

天皇を中心に中央集権国家をつくろうとした明治維新は、全く新たな国家誕生です。新天皇制と言って良いほどです。

1945年8月15日の太平洋戦争敗戦でまたもや大転換がなされました。国家の元首から国家・国民の象徴に変わりました。

こうした変転の中で明治天皇と妃を祀る明治神宮は生き延びました。常に国民にとって神聖な場所となってます。

うっそうと茂る神宮の森に抱かれ敷き詰められた砂利道の参道の方を進むと砂利の音で身が引き締まる気がするから不思議です。

雨でしたが賑わってました。外国人の姿も多く見えました。ザンダーさんも絵馬に願いを書きました。

彼には将来を約束したガールフレンドがいるようで、彼女と2人の幸せを祈ったようでした。

私はザンダーさんに太平洋戦争に敗れた後、全国から代表的な樹木の寄付により神宮の森ができたことを伝えました。

人工の森だということです。うっそうと茂っているともともとあった自然の森と見られてしまいがちです。

戦争に敗れ、沈んでいた日本人の心を癒したいとの思いが込められていたことは間違いのないところです。

続いてお茶の水に行きました。駅のすぐそばに湯島聖堂があります。こちらは中国の聖人孔子が祀られています。

孔子像も立っているのですが訪れる人はいません。掃き清められた明治神宮とは違い、邸内はいささか荒れてます。

中国からの観光客の激増しているのに首をかしげます。中国人観光客は、存在自体を知らないのではないでしょうか。

日本の中の中国文化を伝える貴重な場です。東京オリンピックパラリンピックを前に文化庁は再考して欲しいです。

江戸幕府5代将軍徳川綱吉が建てました。江戸時代は、中国の学術文化への関心が強かったことが伺われます。

湯島聖堂のすぐそばには神田明神もあります。神輿が集結する神田明神の祭りは、江戸を代表する祭りです。

御茶ノ水駅から歩いて数分のところにはニコライ堂もあります。正教会系のキリスト教の教会です。

これに寺院も訪問すれば、お茶の水周辺だけで神道、仏教、キリスト教に中国・儒教まで揃い踏みです。

日本という国が日本古来の神道に加え東洋、西洋の枠を超え各種の宗教・文化を取り入れてきたか一目瞭然です。

文化の寄せ集めで独自性が乏しいとマイナスの評価を与える見方もできるでしょうが、私は違います。

互いに排除することなく日本社会の中に違和感なく存続しています。この点を評価する見方をしてます。

私はこの日本文化の特色にもっと光を当てる必要があると思います。多様性を認めることは調和への一里塚だからです。

ザンダーさんには、今回のささやかな東京見物を日本文化の特色を知ってもらうきっかけにして欲しいです。