政局の次なる焦点は、自民と国民民主の接近?
参議院選挙の結果、安倍総理大臣が悲願とする憲法改正に必要な議席数に4議席届きませんでした。
意味合いは決して小さくはありません。連立パートナーの公明党の姿勢をより慎重にさせるからです。
もともと公明党は憲法改正に積極的ではありません。特に9条には慎重な姿勢を崩してません。
憲法改正発議に必要な3分の2の議席を確保できなかったことで公明党が改憲に動くことはありえません。
安倍総理自身、議論していけとの声をいただいたと発言しています。じくじたる思いがにじみます。
悲願達成のため国会で議論する環境を整えるよう動き出すよう水面下で動くことでしょう。
日本維新の会は、憲法改正に積極的ですので、問題は国民民主ということになります。
議論することに国民民主が前向きに姿勢に転じることは自民党にとってその意義は大きいです。
野党の間に明確な分断線を引くことになるからです。自民党は、渾身の力を入れてくると思います。
国民民主党の獲得議席数は6です。3年後の参議院選挙でこの傾向に歯止めがかかるとは到底思えません。
今が国民民主党として岐路にあると言って差し支えありません。自民党に寄るか否かが問われます。
自民党へ接近ということになれば、相手が小政党となった国民民主党であっても衝撃が走ります。
8月の政局の水面下の動きの中で最大の注目点と言って良いでしょう。政局の節目となります。
議論するに限定だとしても憲法問題で自民党と国民民主党が協力関係となれば、大きな変化の引き金になる可能性もあります。
自民党の国民民主党への働き掛けは、憲法改正問題にとどまらないかもしれないからです。
より包括的な議論ができる関係へと進むこともなくはありません。国民民主党から目が離せなくなりました。
今度の参議院選挙、立憲民主党が最終盤になって失速しました。枝野代表の政局観のずれが原因だと思います。
2年前の衆院選で棚からぼたもち的に誕生し同情心で議席を得たという立憲民主党の立党の原点を忘れたからです。
衆参同日選挙も辞さずと開き直らずに参議院単独を志向し、激しさを見せることなく守りの姿勢で来てしまいました。
2年前の衆議院選挙の際の勢いは山本太郎さんのれいわ新選組に持っていかれてしまいました。
今回の参議院選挙の比例代表で山本さんは85万票余りの高得票で全候補者中でトップでした。
比例代表の当選順位を自ら3番目と定め自らの当選は果たせなかったものの200万票で2議席確保は、快挙です。
そもそも選挙資金の獲得は奇跡的です。比例代表の候補者1人の供託金は600万円で9人擁立しました。
また、山本さんが今回放った戦法は軽視できません。東京選挙区に創価学会員を擁立して公明党の山口代表にぶつけました。
21万票4千票余りを獲得しました。自民党と連立を組む公明党のあり方に鋭く刃を突きつけた格好です。
山本さんの開き直りを立憲民主の枝野代表が少しでも取り入れて戦ったならば選挙はもう少し盛り上がったと思います。