神奈川大生に学ぶまちづくり1~漫画とアニメとまちづくり~

神奈川大学法学部の政策過程論の採点、2日いちにちで一気に111枚の答案を見ました。

私の試験は、講義の中から自由にテーマを決めて2000字程度で論述する形式です。

講義の中身を丸写しして字数を稼ぐような答案は評価しないときっぱりと学生に言い続けました。

自ら調査してまとめ、自らの見解を書き込み、その独自性で点数を決めるということです。

事前に答案を書いて当日持ち込むことは自由です。いかに調査して自分の頭で考えるかです。

試験のやり方についてしつこく言い続けた効果がはっきり現れました。いい加減な答案は皆無で見やすかったです。

論理的になっていないなどの出来不出来はありますが、全員それなりに自分の頭で考えた答案でした。

私の講義は、まちづくりについてです。現代日本の最大の課題と言える人口減少について語ってきました。

長期展望に立った計画的まちづくりで人口減少を食い止めている開成町のまちづくりを紹介しました。

小田原市、南足柄市、真鶴町、箱根町、横須賀市、三浦市、横浜市、川崎市のまちづくりの課題を検討しました。

この一連の講義から学生が何を取り出して論じてくるか楽しみでした。明確なある傾向が見えました。

日本全国で話題となっているインバウンド観光について学生の関心が極めて高かったです。

学生にとって外国人観光客の増加はプラスの要因として受け止めていることが明確に読み取れました。

増加の勢いをまちづくりに活かしたいと考えていました。国際観光によるまちづくりの展開です。

学生に人気は箱根でした。講義で取り上げたことだけが要因ではなさそうです。若者の人気スポットなのです。

人気漫画のエバンゲリオンの影響があります。若者の興味関心を呼ぶ素材として漫画やアニメは絶大な影響を持ちます。

先月18日京都アニメーションが放火されて35人もの死者が出るという凄惨な事件が発生しました。

この事件後、日本全国はおろか世界各地から義援金が寄せられているとの報道がなされています。

日本の漫画やアニメの影響力は世界各地の若者にまで伝播していることのあ切れもない証拠です。

先月31日まで開成町でホームステイしていたザンダーさんも日本に興味を持ったのは漫画とアニメでした。

家族連れで日本にやってくる外国人観光客の多くは、漫画・アニメのフアンの子供にせがまれて来日すると聞きました。

神奈川大学の学生たちの答案からも漫画とアニメが絶大な影響を持っていることがわかりました。

学生たちによる活性化の考え方は、漫画かアニメにその地域を描いてもらえるように仕掛けることから始まります。

上手く行けばその地域は聖地となります。聖地となれば巡礼が始まります。若者が訪れることとなります。

箱根町がエバンゲリオンで新首都とされて、聖地となって若者が訪れるのが典型的な事例です。

世界と直結しているグローバルなものがたりです。この流れはとても無視はできないと思いました。