神奈川大生に学ぶまちづくり3~ITと外国人受け入れ~

新しい時代の流れを捉えている答案が今年もありました。大学の講師をやっていていちばんの楽しみです。

経験豊かな世代の方の意見に耳を傾けることで時代を拓くアイデアを見つけることもあるでしょう。

しかし、現代社会は、これまでのやり方では活路が見い出せず、発想を根本から変えなければなりません。

成長一本やりでは地球が持ちません。ストレスがかかる競争一本やりでは人間が耐えられません。

全く違う発想で地域社会を創造していくことが求められています。その積み重ねが国を創ります。

若い世代の皆さんの出番です。先輩世代は、若い世代を勇気づけ表舞台に登場させることが役目です。

若者は、ITの活用に積極的です。ITが大都市と地方との格差を埋め地方に雇用をもたらすとの答案がありました。

テレワーク、サテライトオフィスといった仕事のやり方、職場のあり方が現実になろうとしてます。

通勤時の混雑もなく自然豊かな景観の中でのびのびと仕事を進ことが可能となってきているのです。

ITの進化がこうした時代をもたらしてます。この流れに乗って地域を創って行くかということになります。

徳島県神山町(かみやまちょう)は、人口の社会増を実現しました。ITのベンチャー企業の進出がきっかけです。

その後、9社が次々とサテライトオフィスを開設しました。進出にはいくつかの理由があります。

通信を高速化する光ファイバー網を先んじて整備していたことも進出も下地となりました。

新しい働き方で企業活動をしようとの意欲を持つ人々が神山町に魅力を感じ集まる流れができたのです。

企業誘致作戦を展開したのではなく自然体でこうしたまちづくりが進められているところが魅力的です。

アメリカ・カリフォルニア州のIT企業の集積地シリコンバレーも最初は志のある人が集まって土台ができました。

徳島県神山町も同じ方向の歩みをしていると答案は書いていました。学ぶ点が大いにあります。

花で未来を創る提案がありました。開成町のあじさいのまちづくりにヒントを得てのアイデアです。

福島県塙町(はなわまち)は、ダリアの町です。ダリア自体の出荷、ダリアの染め物などの手掛けています。

しかし答案を書いた学生はダメ出しをしてました。販売に偏り過ぎて観光がおろそかになっているというのです。

来て見てもらうことで移住へとつなげる政策の重要性を訴えています。アジア圏の人々へ発信を考えています。

塙町の人口は2005年には1万人を超えていましたが現在はおよそ8500人です。

移住に本気で取り組む必要があるというのです。外国人の移住も歓迎すべきだと提案してます。

ベトナム、インド、アジア圏の国と姉妹都市として交流を進めたらどうかと呼びかけてます。

外国人受け入れは、人口減少に歯止めをかけグローバル時代に対応できる開かれたまちづくりだと書いてました。

地域のしがらみにこだわりのない若者らしい大胆な発想です。こういった発想が新たな地域を創ります。