神奈川大生に学ぶまちづくり5~多文化共生と日韓関係~

日本と韓国の対立が激化してます。手を取り合う日はいったいいつになるのか心配している方も多いと思います。

日本の河野外務大臣と韓国のカン・ギョンファ外相とのとげとげしさからは、両者の信頼感のかけらも感じません。

鋭く対立する局面であっても互いの人間力によって解決の糸口を見いだす可能性を醸し出して欲しいです。

1910年から35年間にわたる日本の植民地支配という不幸な歴史が依然として暗い影を落とし清算ができてません。

学生の答案の中で異文化との触れ合いについて考えた優れた論考がありました。イスラム文化との共存についてでした。

学生は大分県別府市の例を引用していました。別府市内にある立命館アジア太平洋大学の存在を重視してました。

6000人の学生のうち半数がベトナム、中国、インドネシアからの学生で15パーセントがイスラム教徒だということです。

立命館アジア太平洋大学では別府市と協力して地域に根差した形で留学生の生活を考えたいという狙いを持ってます。

イスラム教にはアルコールを飲まない、豚肉を食べないなど食事の制限もあり日本で生活する際の支障となってます。

アルコールが全く入っていない醤油を開発し売り出したりあの手この手で留学生の生活を支援しているということです。

文化的な隔たりの大きさを逆手にとって互いの文化を知り、それだけでなく製品開発まで手掛けようとしています。

答案を書いた学生は、留学生を大切にし宗教にも配慮することで外国人が住みやすい地域ができると訴えてました。

立命館アジア太平洋大学と別府市の取り組みは、日本の未来を先取りするような取り組みだと思いました。

人口減少社会の日本の活力を維持するためには外国人の移住は避けられないと思うからです。

外国人を排除することなく地域社会の中できちんと受け止めて共生していかなくてはならないのです。

大学という存在の大きさ、留学生を率先して地域社会に溶け込ませようとする地元自治体の方針が良くマッチしています。

話を日韓関係にもどします。日本と韓国は、日本とイスラムの国々とは大違いで歴史的つながりの深い隣国です。

日本在住の韓国人は、朝鮮籍も合わせれば50万人ほどいます。訪日韓国人旅行客は、昨年は754万人と言われます。

それなのにこれほどまで両国の溝が深まってしまうのでしょうか。触れ合いの欠如が原因だと思います。

別府市のイスラムの国々との交流を学ぶべきではないでしょうか。日本の中には韓国・朝鮮文化が溢れてます。

触れ合うための素材は、あり過ぎるほどあります。そうした素材を活かし交流する取り組みが少な過ぎました。

交流することを避け結果として双方ともに薄っぺらな理解しかありません。信頼感は生まれずすぐに対立します。

地道な民間レベルの交流の取り組みを積み重ねるしかありません。大学にも大いに期待します。

学生の答案をみて日本と韓国の対立解消の道筋を考えることができました。学生に感謝します。