埼玉県知事選挙

立民、国民、共産、社民の野党4党の推薦候補が勝利した埼玉県知事選挙、一番ほっとしているのは誰でしょうか。

当選した大野元裕さん以上に胸をなでおろしているのは立憲民主党の枝野幸男代表ではないでしょうか。

先の参院選挙で致命的な戦略ミスを冒し当初予想されていた議席数の上積みができませんでした。

衆参同日選挙も辞さずと全面対決姿勢を打ち出さなかった腰の引けた選挙対応が原因であったことは間違いありません。

枝野代表としては地元埼玉の県知事選挙で敗れたとしたら手痛過ぎる敗戦となるところでした。

勝因について様々な論評がメディアで流れています。私は与党側の自滅の要素が大きいのではないかと見ます。

青島健太さんという著名なスポーツライターを擁立したことから気の緩みがあったのではないかという見方です。

勝利を確実視される候補者が落選するまさかという坂があります。要因は、気の緩みです。

自民と公明の支持基盤を足し合わせたら負けるはずがありません。それに加えて候補者の知名度の高さです。

大丈夫だろうとの空気が蔓延してしまい選挙への力の入れようが弱ったのではないかと思います。

一方、野党側は、追い込まれ必死です。当選した大野さんも参議院議員からの転身で選挙を知っているのみ強みです。

しかし、立民の枝野代表や国民の玉木代表ら野党側はこの勝利で慢心することがあったら大間違いです。

そもそも上田清司知事は自民党と決定的に対立していた知事です。野党系の知事から野党系の知事へ現状維持です。

ただ、一点大きな一歩を印せたと思うことがあります。首都圏で野党共闘の知事が誕生したことです。

東北や信越地域で強さを誇っている野党共闘の勢いが首都圏の一角に及んだ意義は大きいと思います。

首都圏における次の統一地方選挙での戦い方に影響を及ぼすことは間違いありません。

埼玉県知事選挙と同じ日に神奈川県西部の秦野市で市議会議員選挙がありました。

投票結果に異変がありました。前回の市議選で1619票で最下位当選だった女性候補がトップ当選しました。

前回と今回の変化は立憲民主党の公認になったことです。当選6回目のベテラン女性議員です。

今回の得票は、3287票です。倍増でした。立民の看板効果が大きかったということ以外に考えられません。

伏線がありました。4月の統一地方選挙で立憲民主党公認の古谷一郎さんが14000票と善戦しました。

著名なラーメン店の経営者で秦野市内での知名度は高いです。古谷さんの選挙の余波が残っていたと私は思います。

野党第1党の立民は、埼玉県知事選挙で参議院選挙で失った勢いを多少は取り戻しました。

神奈川県西部においても地方選挙レベルでは影響力を残していることが実証されました。

しかし、次の国政選挙は衆議院選挙です。地方選挙の結果とは、別物です。体制を選ぶ選挙です。

野党間の基本政策の一致度が高まらない限り与党側に攻め立てられます。ここが立民らの野党各党の最大の課題です。