時間雨量100ミリ時代への対応1

三重県で時間雨量100ミリを超える集中豪雨です。時間雨量100ミリ時代と言って良いです。

政府・自民党は、人気者の小泉進次郎さんを活用して人生100年時代のアドバルーンを打ち上げました。

6月に金融庁の委員会が現状の社会保障システムを前提にすると老後資金が2000万不足との報告書を出しました。

野党を中心に報告書に対して反発がでて政府としては報告書を受け取らないという騒動になりました。

しかし、冷静に考えてみれば長生きすればお金がかかるわけですしそのための対応を考える必要があります。

政府の報告書の出し方にも問題があったにせよ政府攻撃の反発の視点からのみで議論するのは時間の無駄です。

治水についても同様です。昨日のNHKニュースに早稲田大学理工学術院教授の関根正人さんが出てました。

私地他の地域を流れる酒匂川の土砂管理プランをまとめた方です。東京の治水について率直語ってました。

時間雨量50ミリを前提に治水対策がされていると断言してました。100ミリには対応できないと言っているのと同じです。

関係者にとっては常識的なことですが一般の住民にとってはほとんど考えたことがないと思います。

時間雨量50ミリの前提を超える雨が降り注いでも対応ができるとの思い込みがあると思います。

実は、対応できません。どこかに被害が出てしまいます。台風19号の場合はそれが広範囲で発生しました。

倍の雨量ですので防ぎきれません。人生100年時代の対応にお金がいるのと同じ原理です。

基本的に考え方を改めてきめ細かく対応することでしのぐ道を選択する以外にはありません。

治水の場合はお金があれば済む問題ではありません。土手を強化したりする基盤整備には時間がかかります。

土手を倍の高さと広さにすれば100ミリでも大丈夫と言っても手品みたいなわけにはいきません。

時間雨量50ミリを前提にしているという事実をしっかりと受け止めてそれ以上の豪雨の時はどうするかです。

対応の大前提として最も大切なことは流域単位で考えることです。上流から下流まではひとつのつながりです。

自分の地域が雨が止んでいても上流で豪雨が降っていれば水量は減らす洪水のリスクは継続します。

この単純明快な事実さえも十分認識されていないことが台風19号の被災地で聞かれました。

流域単位で100ミリの雨に対応を考えるためには、少なくとも流域全体の行政が関わる必要があります。

たとえ国が管理する一級河川であっても流域の全ての地方自治多も含めて情報共有が不可欠です。

この点はまだ不十分ということが今回明らかになりました。国と地方自治体・住民との間で情報断絶がありました。

無理からぬところがあります。一級河川の場合、国は流域全体の管理を担当しています。

台風19号のように同時多発で堤防が決壊すると手が回らなかったというのが実態だと思います。

治水の根本に関わる課題が表面化しました。このピンチを活かし実践的な対応策を見い出す必要があります。