日中国交正常化50周年を前に考えること
来年2020年というとすぐに東京オリンピック・パラリンピックというビックイベントが頭に浮かびます。
ところがその前にもう一つ日本の今後にとって重大な意味を持つ大きな行事が控えています。
来年春に予定されている中国の習近平国家主席の来日です。中国の国家主席の来日は2009年の胡錦涛主席以来です。
2012年9月に日本が中国台湾と領有権をめぐって争いのある尖閣諸島を国有化しました。
これに中国側が猛反発し胡錦涛主席の時代は日中冬の時代でした。習近平時代になってもその流れは変わりませんでした。
雪解けを迎えたのは米中間の経済対立があります。トランプ政権の誕生で米中経済関係は緊張の度を高める一方です。
中国としては日本との友好関係を回復し日米同盟関係がより一層堅固になることを防ごうとの狙いがあると思います。
世界第2位の経済大国で日本の最大の貿易相手国である中国との関係改善は、日本としても歓迎です。
政治面ではアメリカとの同盟関係を堅持する宿命にある日本ですが経済となると米中双方と上手くやりたいのが本音です。
こうした潮流の中で習近平国家主席は来日します。双方ともこの期に及んで対立関係に逆戻りはあり得ません。
しかし、米中経済摩擦という外圧による日中関係改善の動きで自発的な意思によるものではありません。
もうひとつ日本と中国の力関係がかつてとは全く様変わりしているという事実にも注目しなければなりません。
経済に携わっている人たちは別にして一般の日本人にとって物量経済では中国に圧倒されているという事実認識は薄いです。
こうした中で日本と中国の民間交流はどう進めるべきかを考え、時代に即した行動をしていく必要があります。
習近平主席の来日から2年後の2022年は、日中国交正常化50周年の節目の年を迎えます。
40周年の2012年は、先ほど述べたように日中関係は尖閣諸島の領有をめぐりぼろぼろでした。
50周年をどう迎えるか知恵を絞らなくてはなりません。私は、大学がカギを握っていると思います。
日中国交正常化の1972年、中国ブームが起こりました。この時関わった方々が現在の日中民間交流を支えています。
半世紀になるのですから高齢化が著しいです。若い世代の参画が絶対に必要ですが若者の関心は薄いです。
若者が集い中国からの留学生もいるところと言えば大学です。大学に日中民間交流の要の役割を果たしてもらいたいです。
神奈川県日中友好協会でも検討会を作り日中国交正常化50周年に向けた意見交換を始めました。
私は大学との連携を主張しました。大学に交流事業の柱になってもらい新たな息吹を吹き込もうと訴えました。
概ね賛同する意見が多かったです。これから具体にどのような交流事業を進めるか提案をしていきます。
日中関係の未来はバラ色とは言い難いです。とりわけ日本側の対中国に対する好感度は厳しい状況が続いています。
現状を打開する可能性を秘めているのは若者です。大学を基軸に新たな日中民間交流の実践を目指します。