香港民衆の選択に敬服
これほどまでの圧勝とは全く予想しませんでした。良くて拮抗、抑え込まれるのではないかと漠然と予想してました。
香港区議会議員選挙のことです。あの手この手の民主派に対する弾圧があるはずだと思ってました。
民主派の大学生たちの行動が過激化してました。一般の民衆に反発があるかもしれないとも考えてました。
ところがふたを開けてみると120議席だった民主派の議席数は、一挙に385議席となりました。
3倍増を超えています。どういう表現をしたら良いのか適当な言葉が見つからないほどの圧勝です。
親中派の議席数は、292議席から59議席です。徹底して嫌われたという結果でした。
山が動くとはこのようなことを言うのでしょう。完全無欠の民主派の勝利の選挙だったと言えます。
民主派の勝利は、民衆の投票への参加によってもたらされました。投票率は71パーセント、24ポイントアップです。
民衆が投票へと動けばこれほどの変革を実現できるということを香港の民衆は示しました。
中国本土は震撼していることでしょう。行政のトップが自由選挙となれば民主派に持って行かれるのですから。
情報をどれだけ制限しても中国本土にも香港民衆の動きは伝わるでしょう。中国国内の民主派を勇気づけるでしょう。
弾圧を受けている少数民族の活動家にとっては勇気を奮わせる動機づけになるものと思います。
台湾の総統選挙は、香港民主派の勝利によって、中国と距離を置く民進党の蔡英文総統が一段と有利となりました。
習近平政権にとってはジャブではありません。ガードの上から強烈なパンチを食らった感じだと思います。
そのくらいの衝撃を与えたと思います。香港民主派の勝利は、中国の思惑を大きく阻む要因となるからです。
習近平政権は偉大なる中国の復権を掲げて一帯一路という地球規模の大中華圏の形成を目指してます。
しかし、その構想は揺らぎます。民主主義をないがしろにした経済路線に対しノーの声が突きつけられるからです。
政治的自由と民主主義を求める香港民衆の声が引き金となって燎原の火のように広がる可能性が見えるからです。
習近平政権にとっては国家の一大事だと思います。1989年の天安門事件のように弾圧は許されません。
自由と民主主義を徐々に許容するしかありません。中国が真の大国となるため乗り越えなければならない試練だと思います。
共産党一党独裁の下で経済大国として躍進しアメリカに対抗する軍事力を保持することで覇権を求めのは無理があります。
強引に進めようとすればするほど土台から反逆されます。香港区議会議員選挙は、その端緒だと思います。
世界各国は、経済優先の対中国関係から政治的自由と民主主義への中国の対応を注視する動きとなると思います。
中国がいくら内政干渉だと言おうとも、政治的自由と民主主義は、グローバルスタンダードだとの声に押されます。
日本はどういうスタンスをとるのでしょうか。中国との関係改善の動きが堅調な今こそ熟考する時だと思います。