フレンチを食し人生を考える夕べ、まとめ

講師の杉田廣善さんの話を理解できたかどうか気になりました。特に初めての参加者の反応が心配でした。

みたま様(魂)というカギとなる言葉を聞いただけで違和感を覚える方もいられると思ったからです。

心配は無用でした。子供たちの教育に関心があって初参加された3人の女性も満足していたと後で聞きました。

90歳の杉田さんが100分間言いよどむことなく、力強く語り続ける姿に圧倒されたところもあると思います。

話の中身よりも杉田さんが醸し出す雰囲気が聞いている方に影響を与えたと見た方が良いかもしれません。

日本は根の国であって、ひとりひとりはその根の先に生えるかすかなひげ根であることに目覚めて欲しい。

ひげ根といってもバカにはできずひげ根の活力が太い根を育てる源であることを意識して欲しい。

あらゆる出来事を喜んで受け止めて世のため人のためにできることはあるはずで行動して欲しい。

以上の三点が杉田さんが一番伝えたかったことだと思います。平凡と言えば平凡ですが言うは易くの典型です。

実践するためには、まず日々自らを動かしている源の力であるみたま様(魂)の存在を確信することが必要です。

次いで自分が自分がという欲望に囚われがちな心の世界を抜け出してみたま様(魂)と向き合うことが必要です。

そのためには心の世界は、自分たちが勝手に見ている夢のようなものだと理解する姿勢が必要です。

そして,みたま様(魂)こそが本当の自分で一体になれれば、全く新しい世界が見えてくると言っているのです。

私は、杉田さんの話しは、決して突飛な話ではなく古今東西の哲学者や宗教家が追い求めてきたことだと思います。

古の哲学者や高名な宗教家の話しは、高貴なものとして奉られますが杉田さんのように無名の人の話は埋もれがちです。

しかし話している内容は、全くそん色ないどころか平易な言い回しで日本人にとって理解しやすい内容です。

杉田さんの話こそもっと多くの日本人に聞いてもらいたいと私は思ってお手伝いをしています。

本当の自分に戻れということが最終的な結論です。これを杉田さんはみたま様(魂)と表現しているのです。

日本を代表する哲学者の西田幾多郎が生涯をかけて追い求めていたのは見える事象の背後にある絶対の存在でした。

西田の盟友で座禅を世界に広めた高名な宗教家の鈴木大拙は、それを霊性と表現しました。

日本人はこうした感覚を持ち合わせているのです。この霊性を大切に生きることを杉田さんは訴えていると思います。

霊性は、自分の外にあるのではなく自分の心の奥底に存在することを間違えてはなりません。

どこかに偶像を作ってそれに向かって手を合わせただけでは霊性を持つ本当の自分に到達することはできません。

自分を掘り下げることで初めて獲得できる世界です。絶対の安心、平和、喜びが待っていると言われます。

誰しもがいちばん願う世界ではないでしょうか。杉田さんは、その世界へ至る道を伝える伝道者です。