私の平成史54~新県都創造2~
2011年4月の県知事選挙での主要な争点は、3・11の真っ最中ですので原発・エネルギー政策でした。
みんなの党と共産党を除くオール与党て立候補した黒岩祐治現知事は全世帯太陽光パネル設置の大盤振る舞いでした。
私は、県としてとても用意できない額の財源が必要な絵に描いた餅的な政策に対抗する気はありませんでした。
それよりも神奈川県全体の経済バランスを整えることを真剣に考えオール神奈川体制を訴えました。
今から考え直しますと勝利を目指すという点で考えたら戦術判断を完全に間違えました。
私も全世帯太陽光パネルだと脱原発の一点突破全面展開をすればもう少し勝負になったかもしれません。
神奈川はひとつ、オール神奈川体制を目指すでは、スローガンとして抽象的で有権者にインパクトがありません。
私は、まずは防災機能を神奈川県の中央部に移し、その後、県庁移転を検討することを訴えたかったのです。
県庁所在地であるという横浜市民のプライドを傷つけ反発を呼ぶという助言があって思い切って言えませんでした。
結局は、飲料水を通じて横浜と水源地はつながっているので連携を深めようという主張にトーンダウンしました。
一番言いたいことを言えなくて残念でした。黒岩さんの全世帯太陽光パネルに比べると格段に印象が薄いです。
しかし、全世帯太陽光パネルの設置は、選挙後方針転換し影が薄くなってしまい陽の目を見ませんでした。
私の主張した飲料水を切り口にした大都市部と水源地の連携強化は、重要性を増す一方です。
これだけ記録的な集中豪雨が頻発すると水源地域と飲料水の大消費地との関係に着目する住民は増えます。
治水と飲料水の確保という重要課題から神奈川県全体のバランスを問い直すことは間違ってません。
大災害が発生した際に県庁も警察本部も全て横浜に集中していて神奈川県全体の指揮を執るのは困難が予想されます。
最大都市横浜の被害が甚大である可能性は高く市のコントロールタワーの横浜市との役割分担も難しいです。
大都市から離れて冷静に県全体を見渡して指揮をとれる場所に県の災害対策の中心を移して置くことが大切です。
神奈川県の場合は、総合防災センターのある厚木市が設置場所として一番適当だと思います。
消防学校も併設されているのですから最適です。こちらを災害対策の中心と位置付けて横浜を出先とする方が望ましいです。
私が県知事選挙に出た2011年から8年半が経過しました。当時今のような環境ならば有権者の関心も違ったと思います。
極めて重要ですが地味な政策課題を理解してもらうのはなかなか困難だと今更ながら思っています。
誰もが理解をすることができる災害の様な政策課題で神奈川県全体のバランスを考える突破口にしたかったです。
災害対策からさらに発展させていけば、横浜に県庁を置いておくことが本当に合理的なのかどうかの議論を起こせます。
人口密集地に災害時、指揮する機関が集中していることは危険だと多くの住民も気づくはずです。