台湾の総統選挙で民進党の蔡英文総統が大差で再選されました。812万票で史上最多の得票です。

立法院の選挙でも民進党が113議席中の61議席を占めました。投票率は、74.9パーセントでした。

中国と距離を置く方針は堅持されることになります。偉大なる中華民族の夢の実現を目論む習近平政権には痛手だと思います。

それにしても台湾の民主主義の定着には目を見張るものがあります。総統が直接選挙で選ばれたのは1996年です。

3度にわたる政権交代を経て今日があります。投票率の高さに政治への関心が如実に表れています。

選挙のたびに投票率の低迷に悩む日本にとって台湾政治は、ひとつのお手本ではないでしょうか。

若者の政治への参画の意欲が違います。2014年には中国との接近に反発し議場を占拠したこともあります。

日本で言えば1960年、70年の学生運動の熱さが、日本のように過激化せずに健全に維持されている感じです。

若者は、中国共産党との内戦に敗れ中国大陸から台湾に逃げ込んできた方々とは異なる考え方だと言われます。

台湾で生まれ育ち台湾を故郷とする台湾人意識を持っています。中国人と自らを認識していません。

それに加えて先ほど述べたように自らの力で選挙を通じて自由と民主主義を強化してきました。

中国共産党の一党独裁で党の方針に逆らうものは排除され下手をすれば死を招く中国本土とは相いれません。

習近平政権は、素直に見れば当たり前の台湾の状況を認めようとはしません。イデオロギーに縛られています。

台湾は、中華人民共和国の領土の不可分の一部としています。1972年の日中国交正常化の際も同じ主張がされました。

この大原則は、中国にとって核心的利益をなすもので微動だにしません。何かを言えば内政干渉と攻め立てられます。

ところがこれは中国の一方的主張です。日中国交正常化の際に、日本は中国側の立場を「理解し尊重する」としています。

決して中国側の主張を全面的に飲んでいる訳ではありません。日本として容認できない事態が起これば反論できます。

中国側が武力で台湾を統一する動きを見せた時や強圧的な態度で台湾を封じ込めようとした際には抗議するのは当然です。

日本は、中国が声高に言うと委縮するような態度を見せがちですが原理原則に合わないことはきちんと反論すべきです。

台湾との交流深化は日本の国策だと思います。ただ政府と政府の関係はひとつの中国を認める立場からできません。

民間の経済交流や文化交流、もっと進展させるべきです。台湾には日本人が忘れてしまっている歴史が眠っています。

戦前多くの日本人技術者が基盤整備事業を展開し今なお台湾の多くの皆さんに深く感謝されています。

習近平政権は、真に偉大なる中華民族の夢の実現を目指すのであれば強圧的手段で台湾を飲み込むのはありえません。

固有の領土とか理屈をこねない台湾の独立を堂々と認め、両国で連合を組んだらどうでしょうか。