独裁国家のおぞましさと的外れ感
最近の国際ニュースの中でウクライナ機の撃墜をめぐるイランの対応ほど私を落胆させたものはありません。
イランは、超大国アメリカに徹底して締め上げられ土俵際まで追い詰められていると私の目には映ってました。
頭の片隅に判官びいきというか超大国に対し敢然と自己主張する姿に同情心があったのは事実です。
ところが誤爆事件でイランが国家としてうそを平然とついたことで私のイランへの同情心は吹き飛びました。
乗客乗員176人もの犠牲者が出た事故の直後イラン当局はまさに民間機による”事故”と言い張ってました。
ところがアメリカやカナダ政府から撃墜の可能性を追及されると説明を一転させて誤爆を認めました。
ウソがばれた後になってロウハニ大統領は深い憂慮の念を表明しました。後の祭りです。しらじらしいです。
「許されないミス」などという言い訳は通用しません。そうであれば事故直後に自らの過ちを認めないでしょうか。
独裁政権による悪弊が顔を出したと言わざるを得ません。イラン国内ではウソが通用しても国際社会では通りません。
犠牲者はイラン人が82人で次いでカナダ人が63人と伝えられています。この2か国で大半を占めます。
カナダ政府が事故原因の究明に関与し真因を徹底して追及して欲しいです。再びごまかしがないことを期待します。
イランのロウハニ政権が西アジアの独裁国家の代表とすると東の独裁国家の王者は中国の習近平政権です。
共産党の一党独裁政権の中で習近平主席は”核心”と位置付けられ一頭地を抜け出した特別の存在です。
その習近平政権が戦闘を挑んでいます。相手は、新型のコロナウィルスです。肉眼で目に見える相手ではありません。
感染者は日に日に増えて日本をはじめ世界に拡散しています。震源地は湖北省の省都の武漢です。
人口1千万人を超える巨大都市です。このメガシティーを中国政府は封鎖するという強硬策に出ました。
NHKニュースには李克強首相が現地を訪れ医療関係者などを激励する現地メディアの映像が流れてました。
独裁国家のやることは異様です。首相が激励したら問題が解決するのではなく実態がどうなのかの方が先決です。
政府が戦闘に立って頑張っている姿を流したところでいったいどのような効果があるというのでしょうか。
武漢では肺炎専門の病院建設急ピッチで進んでいるという報道もなされています。驚くべき対応です。
豊臣秀吉の一夜城のように病院建設し設備は大丈夫なのでしょうか。優秀な医療スタッフは確保できるのでしょうか。
こうした背景については報道では全く触れられていませんので対応を評価することができません。
新型ウィルスへの対応は、戦争の様な総力戦ではありますが物量だけで決まるものではありません。
国家の威信などと大上段に振りかざす事案ではなく地道な対応の積み重ねによる公衆衛生の質が問われるのだと思います。
東の独裁国家の王者中国の対応に独裁国家ならではの的外れさを感じてならないのですがいかがでしょうか。