神奈川県西部の人口減少への危機感は高まるばかり

先日、総務省が2019年の人口移動報告を発表しました。東京圏への人口移動が依然として進んでいるとのことでした。

東京圏とは、東京都とその周辺の埼玉千葉神奈川の3県のことです。転入者の方が転出者より多いということです。

東京都が82982人、神奈川県が29609人、埼玉県が26654人、千葉県が9538人です。

全国に目を向けると大阪府が8064人、滋賀県が1079人、福岡県が2925人、沖縄県が695人プラスです。

その他の道府県は全て転出者の方が多い社会減です。愛知県が1931人マイナスには驚きました。

こうした記事を目にしていると、いつの間にか私の住む神奈川県は移住者が依然として多く一安心だと思ってしまいます。

ところがどっこいです。神奈川県西部地域は、神奈川県の中で三浦半島地域と並んで人口減少地帯です。

神奈川県だけではありません。埼玉県でも千葉県でも周辺部に人口減少地域を抱えています。

地域別に細かく見る視点を持ちませんと実態とは異なるイメージを植え付けてしまう恐れがあります。

首長が万が一こうしたイメージを抱いてしまうと危機感が薄れてしまい対策が鈍ってしまいます。

先日、湯河原町の町議選に出馬する土屋由希子さんの応援に出かけましたが駅周辺でも空き家が目立ってました。

お隣の真鶴町は、人口減少が急速に進み、神奈川県で初めての過疎地域に指定されました。

世界の箱根は、民間の研究機関の調査によりますと神奈川県内で消滅可能性都市ナンバーワンでした。

足柄地域に目を移しますと昭和の大合併当時16000人を数えていた山北町の人口は、10104人です。

足柄地域の中心都市の南足柄市も2010年に44013人だった人口が41685人まで落ち込んでます。

県西地域の中心都市の小田原市は、19022人で19万人割れ目前です。2000年には20万人でした。

由々しき事態です。東京圏に人口集中などという記事に惑わされている場合ではありません。

各市町が強い危機意識を持って早急に手を打たないとズルズルと落ち込んで行ってしまいます。

小田原市が音頭取りをして県西地域全体として人口減少問題にどう取り組むのか考え直さないと手遅れになります。

個別の市町で対応できる課題ではもはやありません。一方で人口問題は国の問題と投げる訳にもいきません。

国は神奈川県の中の人口問題など目もくれません。全体として移住者が増えている県の問題など対象ではありません。

地域の首長が本当の危機感を持って横の連携取り自らの努力で打つべき手を打つことがまず必要です。

国は面倒見てくれません。冷厳な事実をしっかり見つめ直して神奈川県を巻き込み新たな動きをとる時期です。

5月の小田原市長選は、完成地域の人口減少への対応を考える大論戦の場なのですが全くその気配がないのは不思議です。

小田原市をはじめ県西地域全体、何とかなるという気持ちが抜けないのでしょう。危機は深まるばかりです。