『新編富士山と酒匂川』と現代の治水

22日、足柄の歴史再発見クラブの2月定例会がありました。加入を希望される方2人が見学に見えました。

ひとりは東京杉並区の建設コンサルタントの方です。加入していただければ東京の方は二人目です。

もうひとりは、お隣南足柄市の郷土史に関心がある方でした。会員からの紹介で様子を見せて欲しいとのことでした。

1月は、酒匂川の治水の功労者田中丘隅の生まれ故郷の東京都あきる野市を視察研修に出かけました。

スライドを使って報告がありました。私はインフルエンザからまだ回復していなかったので参加できませんでした。

あきる野市の郷土史の専門家の方の解説がとても興味深かったようです。聞けなくて残念でした。

田中丘隅は、多摩川の支流の農業用水の治水が上手く行かずに詰め腹を切らされたという説もあるということです。

全く知りませんでした。田中丘隅が活躍した川崎市を訪問する計画もあります。確かめてみたいものです。

今年上半期の活動方針について話し合いました。6月に近隣地域の歴史団体と一緒に実施する展示会がいちばんの目標です。

山北町役場の隣の生涯学習センターで3日間行われます。刊行した『新編富士山と酒匂川』の内容を紹介します。

網羅はできませんので絶対に外してはならないポイントをピックアップしてパネル展示することにしました。

開催地が山北町ですので山北町と関連する項目を充実させて発表することにしました。

300年前の富士山の噴火では山北町は大被害を受けています。酒匂川の支流の流れを変える苦難を味わいました。

最近になっても1972年に集中豪雨のために山間部で大きな土砂崩れが発生して犠牲者が出ました。

2010年9月の集中豪雨では静岡県小山地と並んで土砂崩れが頻発し激甚災害の指定を受けました。

クラブで学んだ山北の災害史をわかり易く展示し、山北町の郷土史関係者と意見を交わしたいです。

定例会の後、展示発表会に向けた勉強会を行いました。かすみ堤についてと昨年の集中豪雨についてをテーマにしました。

かすみ堤については小学校への出前授業で大活躍の大井みちさんが担当者でおさらいをしました。

昨年の台風19号による千曲川の氾濫でかすみ堤のあり方に様々な意見が投げかけられています。

土手に刻みを入れて増水時に一時的な遊水地とするのが主な役割です。大井さんはもう一度整理したいと述べてました。

昨年の集中豪雨については私が担当して報告しました。これまでの前提条件は通用しないと強調しました。

箱根町で一日で千ミリの降水量がありました。全く想定していませんでした。何があってもおかしくありません。

国立公園で管理が行き届いた箱根山なので何とかしのげたと考えるべきで西丹沢地域ではそうはいきません。

酒匂川水系の関係する市長と管理する神奈川県と静岡県、それと国も交えて治水の再検討が不可欠です。

中心市の小田原市が呼び掛け上流部の三保ダムで緊急放流があった場合はどうするかなどの訓練を検討して欲しいです。