新型コロナウィルスが見せつけているのは何か
新型コロナウィルスによる世界的大流行、パンデミックが刻一刻と迫ってきているような恐怖感を覚えます。
この事態はいったい何を私たちに見せつけようとしているのでしょうか。考える必要があります。
いのいちばんに挙げなくてはならないのは世界がグローバル化して往来が激しくなった今日情報公開の大切さです。
自国内の都合を優先して情報を隠したりすると初期の対応が遅れは、計り知れない被害をもたらします。
中国の対応は明らかにこの悪しき事例でした。中国政府が本格的に動き出した1月下旬は既に蔓延状態でした。
日本における感染の典型例とされる屋形船の集団感染は1月中旬です。このギャップを見れば一目瞭然です。
昨年12月段階で中国が正確な情報を全世界に発信し注意喚起を呼び掛けたとしたら事態は異なっていたのではないでしょうか。
メディアの報道によれば湖北省武漢市は正確な情報を伝えたくても諸事情によりできなかったのではないかと言われます。
中国は共産党による一党独裁国家です。習近平国家主席が絶対的権力を掌握しています。
都合の悪いことが明るみに出ることを避けたのではないかというのです。言語道断の行為です。
一方で中国という独裁体制のすさまじい力を見せつけてもいます。習近平主席が乗り出してから一変しました。
一千万人都市の武漢を閉鎖したり急ピッチで病院の建設を断行したり人的資源を集中させたり他国ではまねができません。
中国という国家の力は世界を席巻する潜在力を持っていることを十二分にうかがわせています。
一方、わが日本はということ初動が鈍かったのではないでしょうか。安倍総理自らの危機意識が伝わりませんでした。
加藤厚生労働大臣ばかりが目立っていました。私は加藤大臣の記者会見での冷静な応対を評価しました。
しかし、事態が深刻になってくるとやはり総理が自らの言葉で国民に直接呼びかける行動が必要です。
おとといの衆議院予算委員会でも野党側から安倍総理の顔が見えないと追及されていました。
安倍総理は追い込まれた格好になっていました。そこで突如飛び出したのが小中高の臨時休校です。
司、司に任せていて徐々に対応を続け、資源をその都度投入し、事態が深刻になると突如劇的対応をする。
日本の統治のパターンをなぞっているかのようです。もっと早くに国を挙げての姿勢が示せなかったのかと思います。
安倍総理は前例のない決断をしました。いわばショック療法です。国民に注意喚起する効果は絶大です。
しかし公衆衛生の科学的根拠に基づいての決断だとは思えません。教育現場での流行は一部を除いてありません。
劇的な呼び掛けの効果は未知数です。安倍総理の決断が評価されるか否かは今後の推移かかっています。
国民の危機意識を喚起した今、国民に対し何をすべきかを改めて徹底することが必要だと思います。
それと検査体制の充実や重症者への対応がとれるよう医療の現場への支援が必須であることはいうまでもありません。