私の平成史76~おわりに~

私の平成史シリーズつに今日と明日の2回となりました。お付き合いいただいた皆様に感謝申し上げます。

私自身にとって平成の30年を振り返ることは、残りの人生をいかに生きるかを考えることにほかなりません。

そうした営みを進める中で読者の皆様にとっても人生を見つめる手がかりを提供出来たとしたら幸いです。

私の平成史は無謀とも思える挑戦の連続でした。安定を常に自ら壊し新たな世界を構築しようともがきました。

1998年2月から2011年3月までの開成町長時代は実践の場を得て理想を目に見える形で表現することができました。

しかし開成町長時代の安定すらもどかしいと感じて次なる舞台を求め地位を捨て去りました。

県知事選挙、衆議院選挙、参議院選挙と続いた選挙の季節は、暴風雨の時代でもありました。

最後の参議院選挙では、法定得票にすら達しない大惨敗を喫しました。叩きのめされた感じです。

しかし、この悲惨な状況こそが自分の人生を輝かせる試練と捉えじたばたせずに待つことにしました。

大学で教える機会を得てそれまでの自分の歩みを総括する時間を得ることができました。

開成町のまちづくりを通じてまちを興すとは何かについて確信めいたものを得ることができました。

開成町だけに通用するのではなくどんな地域であっても応用できる普遍的な法則があります。

首長の情熱がまずあります。続いて長期展望に立った土地利用計画を確立し一貫して堅持することです。

この土台の上に地域資源を最大限活かして町を輝かす政策テーマを選び出し果敢に挑戦し続けることです。

開成町の場合は、あじさいであり、自転車であり、古民家再生であり、先端企業の研究所誘致でした。

最後に残るのはひとづくりです。教育がまちづくりの最終目標です。次の時代に羽ばたく人材を輩出することでした。

開成町の成功モデルを引っ提げて対象地域を神奈川へと移し県レベルのイノベーションを狙いました。

県内で一番小さな町からの挑戦を決めたその時に東日本大震災が発生し選挙どころではなくなりました。

結果として県知事への挑戦は無謀な試みとなり神奈川の刷新という夢は幻となってしまいました。

開成町長としての実践と神奈川県知事への挑戦と失敗。このふたつが私の平成史の画期となる出来事でした。

時代は、平成から令和となり、オリンピックイヤーのはずだった日本は新型コロナショックに揺さぶられています。

大都市を中心に経済活動を一時的に停止せざるを得ない非常事態が刻一刻と近づいているように見えます。

東京を筆頭に大都市の発展をけん引役としてきた日本の国づくりの在り方が問い直されているような気がします。

新型コロナウィルスの猛威は大都市部の急激な発展に依存し過ぎバランスを失したことへの警告に見えてしかたありません。

地方の良さを見つめ直して、バランスの取れた地域づくりを再検討する機会ではないでしょうか。

私の住む神奈川県西部地域は、便利な田舎で新たな時代のまちづくりに最適です。知恵を絞り実践すべきです。