新型コロナウィルス対応の政治学6

橋下徹さんに対しては賛否両論があります。けたたましく主張をされますし苦手の方も多いと思います。

私もどちらかと言えば腰が引ける感じです。でも有言実行の実行力は認めなければなりません。

大阪市を解体し府と一体化とする大阪都構想をめぐり住民投票にまで持ち込みあと一歩で実現でした。

私は、2009年の夏の衆議院選挙前に大阪府知事だった橋下さんらと首長連合を結成しその一員となりました。

橋下さんが日の出の勢いだったころです。橋下さんの人気に国政の方が押されていました。

橋下さんは自分の存在感を十二分にわきまえていてメディアをも使いながら自らの主張を通して行きました。

そうした橋本さんが勝ち取った成果のひとつが国と地方が対等に話し合う協議の場でした。

国と地方では力関係に差があります。しかし橋下さんという存在のため対等以上に渡り合える環境でした。

今現在橋下さんが現職の大阪府知事だったら狂ったように安倍総理にかみつくことでしょう。

営業自粛要請に対する金銭的な補償は原則国が負担しろとまくし立てることでしょう。

安倍総理の方も勢いに押されて妥協せざるを得ないところまで追い込まれると想像します。

現状で橋下さんのような行動をとれる可能性を持つ首長はただひとりです。東京都の小池都知事です。

しかし小池都知事は東京都だけの対応に重きを置いて全国の自治体のことはさほど気にかけていないように見えます。

東京は裕福です。財源的な余裕があります。休業補償も他の自治体より手厚い措置がとれます。

私は小池都知事の振る舞いは残念です。ここで全国のために安倍総理に立ち向かって欲しかったです。

小池都知事が先頭に立ち全国の知事に呼びかけて国に対し休業補償を求めたら様相は全く異なりました。

安倍総理としても動かざるを得なかったと思います。全国の知事が一枚岩になれば強いです。

残念ながら小池都知事の選択は東京都ファーストでした。他の知事にとっては抜け駆けみたいに見えたでしょう。

東京都が自粛要請に協力した企業に対し50万から100万の補助ならば他は、10万から30万とかとなってます。

地域によって実情が異なるといってもこのような休業補償の在り方が好ましいわけはありません。

例えば、30万円とか50万円までの補償は国が責任を持ちそれ以上は各地域で独自に実施するのが本来です。

小池都知事がさっさと独自路線に踏み切ってしまいましたのでこうした本来のやり方をとるタイミングがありませんでした。

日本全国の都道府県がひとつにまとまって新型コロナウィルスの感染拡大に努める千載一遇のチャンスを逸しました。

小池都知事が身を捨てて全国のために奮闘していれば流れは一挙に変わったと思い残念でなりません。

政府の対応は背骨がしゃんとしていなくてあやふや、全国の都道府県の対応はバラバラでは先が思いやられます。

新型コロナウィルスは国・地方を問わず日本の政治が危機に瀕していることを如実に示していると思えてなりません。