新型コロナウィルス対応の政治学9
昨晩夜7時のNHKニュース7、なぜ突如として国民ひとり10万円の特別給付となったのか要領よく解説されてました。
公明党の動きがカギでした。山口代表がねじ込み最後の最後まで妥協しなかったというのが真相だというのです。
極めて珍しいというか初めてのことだと思います。これまでは最終局面で公明党は折れていました。
今回は公明党支持者からの声に押されて10万円給付案を断じて実現するよう安倍総理に迫ったというのです。
このままでは政権運営が難しくなり共倒れになってしまうと安倍総理を説き伏せ総理の決断を引き出したということでした。
公明党の支持層は決して裕福な層ではありません。悲痛な叫び声が山口代表の耳に届いていたのだと思います。
私はニュース7の解説を聞いていて公明党との連立政権が機能し異例の予算の組み換えを実現できたと納得しました。
財源を限りなく圧縮しようとする財務省が控えています。麻生財務大臣は折れてはならないという考えでした。
自民党の岸田政務調査会長は、条件付きの30万円給付案をまとめた党としての責任者でもあります。
自民党の次期総裁候補の最有力とされる岸田さんの面目は丸つぶれとなり大きな痛手を負いました。
予算の組み換えという異例の事態となった今回の事態の進行は事実上の政変ともいえると思います。
新型コロナウィルスの対応と同時進行でひそかに進むと思われる権力をめぐるドラマに大きな影響を及ぼします。
一方で緊急事態の特別警戒地域とされた13都道府県をはじめとする休業補償の問題は俎上に上りませんでした。
こちらの課題においては公明党の山口代表と同様の働きをする政治家が今なかったのが原因です。
既に政府が支給を決定している地方創生交付金1兆円を活用することができる程度でお茶を濁されてしまいました。
この程度の財源では十分な休業補償は到底できません。都道府県にとっては頭の痛い問題として残りました。
東京都の小池都知事が公明党の山口代表のように本気で政府にねじ込んだならば事態は変わりました。
全国の知事たちが熱烈支援をしたに決まっているからです。小池都知事は千両役者となったはずです。
しかし小池都知事は東京都だけの独自の政策をアピールすることに注力し他の道府県との違いが逆に際立ちました。
おそらく7月に都知事選挙を控えて独自性にこだわったのではないかと想像しています。
私はこの選択は女を下げたと思います。逆に出た方が再選を絶対確実にしたはずだと思います。
都知事選、小池都知事の圧倒的有利な状況には変わりはありませんが全国的に知事からの支持は得られませんでした。
今後の新型コロナウィルス対応の状況次第では万が一もあり得るのではないかという火種は残したと思います。
国においては予算の組み換えという言わば大事件が起こりました。新型コロナウィルス対応の深刻さを示しています。
今度は地方において予算の組み換えが不可欠です。こちらは各都道府県、いい意味での競争をして欲しいです。