新型コロナウィルス対応の政治学16

衆議院静岡4区で自民党候補が2万8千票あまりの差をつけ圧勝でした。政府・与党胸をなでおろしていることでしょう。

元々は自民党の議席があったところですので勝って当たり前の選挙区です。楽観視はしていなかったはずです。

安倍総理が自宅でくつろぐ様子をネットに投稿したり昭恵夫人が先月大分に視察旅行に行ったことも明るみに出ました。

そして何と言っても条件が付いた30万円の給付です。わかりにくく条件がきついとの批判が渦巻いてました。

救世主は、国民全員に一律10万円給付への政策転換ではなかったでしょうか。対策が締まった感じを与えました。

政策転換をねじ込んだ連立相手の公明党が安倍政権の危機を救ったといえそうです。敗れていたら政変です。

接戦に持ち込まれただけでも相当に打撃があったと思います。首の皮一枚ということになり批判が渦巻いたでしょう。

それにしても投票率の低下が激しかったです。34.1パーセントで19.62ポイント下落で過去最低とのことです。

3密を避けての選挙戦で集会ができません。コミュニケーションの最強の手段である握手も厳禁です。

盛り上げたくても上げられません。候補者はネットに頼る選挙戦とならざるを得なかったと思います。

もし投票率が上がるとしたら有権者の怒りだと思います。一律10万円はその怒りを抑制したといえます。

神奈川県西部地域の中心都市の小田原市長選挙が来月10日告示17日投開票と迫ってきました。

こちらも関心を高めることが難しそうです。そもそも争点が見えにくい選挙戦となっていました。

自民党の守屋輝彦さんは、昨年4月の統一地方選挙の県議選の出馬を取りやめて退路を断った形で出馬を宣言しました。

4選を目指す現職の加藤憲一市長に対し敢然と政策論争を挑む格好の環境だと私は思いました。

全国トップクラスの交通の利便性を誇りながら少子・高齢化が進む現状に対し強力な政策を打ち上げるチャンスでした。

しかし守屋さんがとった戦略は静かに支持者の声を聴いて回るやり方で華々しさとは無縁でした。

そうこうしているうちに新型コロナ対策で大わらわの状況となりました。守屋さんは鮮烈さを訴えるチャンスを逸しました。

小田原は保守地盤で自民党がついているといっても知名度は現職が勝ることは言うまでもありません。

加藤市長は郷土の偉人二宮尊徳に習って市民の救済のために全力を挙げる姿勢を示しています。

格好良いです。更に先週末に関東学院大学の跡地に工学系の大学の進出の発表がありました。

守屋さんは追い込まれました。しかし現下の状況では反転攻勢の手段が見当たらないのが実情ではないでしょうか。

県議会議員を経験した強力新人とはいえ新人は新人です。積極果敢に大胆不敵な政策をぶち上げなかったことが痛手です。

前回は加藤市長の無投票当選でした。8年ぶりの選挙戦は相当の投票率の低下が予想されます。

知名度が高く新型コロナ対策を前面に押し出すことができる加藤市長の優位は揺るぎそうにありません。