新型コロナウィルス対応の政治学24

新型コロナウィルスの発生原因の究明の動きは本来の在り方と違い極めて政治的な動きとなることが確実です。

アメリカのトランプ大統領が中国をウィルス拡散の原因国とする印象をより強く与えようとするからです。

既に決定的証拠を握っていて公表する用意があると表明していますので激しい言い合いになりそうです。

中国は当然全面否定します。中国よりと批判されるWHO=世界保健機関を巻き込んだ騒動になる可能性があります。

こうした中でカギを握っているのは台湾です。昨年12月段階で中国・武漢での流行を確認していたとしているからです。

WHOに報告したのにもかかわらず取り上げられなかったと台湾は報告文書を公開しました。

台湾問題が浮上すると直ちに中国は神経過敏になります。中国にとって台湾は建前上あくまでも自国内だからです。

国内なのに統制が効かないことは許しがたく台湾の存在を国家として認めることにつながる動きを徹底的に毛嫌いします。

安倍総理は今回の新型コロナウィルス拡散の原因究明と絡めて台湾のWHOへのオブザーバー参加を支援するとのことです。

報道で見た限りですので定かなことはわかりませんが、そうした行動をとることを決断したとすれば画期的です。

新型コロナウィルス拡散の原因究明に関しては中国の神経を逆なでしようとも断じて行うという意思表示だからです。

安倍総理があからさまに発言し行動を起こす段階になれば中国は黙っていません。猛反発します。

アメリカを始めヨーロッパ各国を巻き込んで国際世論としない限り中国の逆襲は覚悟信ければなりません。

1972年の日中国交正常化でひとつの中国を認めた日本は、台湾問題に関し中国の主張を理解し尊重する立場にあります。

その約束からの逸脱だと原理原則に立って圧力をかけてくると思います。日本は耐えられるか正念場となります。

安倍総理が台湾側の立場に立って動くとして日本の政治勢力で断固として後ろ盾になる政治勢力はありません。

自民党の二階幹事長は中国とのパイプが太いことが自らの政治的立場を強くしている一因です。

公明党は日中国交正常化の時から一貫して中国と親しい関係を継続していますので後押しにはなりません。

支えとなるとすれば自民党内のタカ派です。「日本の尊厳と国益を守る会」の動きに私は注目します。

50人余りの集団が断固として台湾支持を打ち出して新型コロナウィルス拡散の徹底究明を断固支持できるか注目点です。

新型コロナウィルス拡散の原因究明にとどまらずこれからの日本と中国を考える際の重要な問題提起となります。

感染症の世界的流行など世界の安全にかかわる事柄については台湾の存在を認め支持することがあり得るということです。

日本は台湾問題に関しひとつの中国を認めたとはいえ無条件ではないという姿勢を明確に示す事例となります。

私は自民党内タカ派に期待します。日本と中国の問題を考え直すため乗り越えなければならない試練だからです。