新型コロナウィルス対応の政治学25

新型コロナウィルスとの戦い、女性のリーダー達の活躍が顕著です。先週8日の神奈川新聞の記事です。

顔写真入りで紹介されていたのは4人です。ドイツのメルケル首相、デンマークのフレデリクセン首相です。

ニュージーランドのアーダン首相、それと台湾の蔡英文総統の4人です。このほかにも4人の首相の名が挙がってました。

国民の評価が高まっている女性リーダー達の共通項も上げていました。まず迅速な対応です。

続いてブレない姿勢です。率直な口調でわかり易さも挙げていました。いずれも危機の際に必要不可欠な条件です。

特に記事の中で特筆されていたのはドイツのメルケル首相の対応でした。物理学者で理系の冷静な頭脳の持ち主です。

感染拡大のスピードをいかに遅らせるかが最大の課題だという一点に照準を絞り厳格な対策を打ち出しました。

「台に2次世界大戦以来最大の危機だ」と国民の覚悟を求める一方で膨大な検査とベッドの確保を進めました。

私の知人からドイツ在住の日本人研究者がまとめたドイツレポートを紹介してもらい読んでみました。

ドイツの対応のすごさが理解できました。ベルリン市の事例ですが条件が合えば1人当たり60万円が支給されます。

申請から受給までわずか2日間という速さだと書いてありました。申請の際の書類の簡素化が徹底しているようです。

日本でなぜ検査数が伸びないのか謎となっているPCR検査の数も膨大で日本の30倍というデータが引用されてました。

3月18日にメルケル首相が国民の呼び掛けた20分間のメッセージの日本語訳も紹介されてました。

新型コロナウィルス対応に関わるあらゆる職種の方々へのきめ細かな配慮がとても印象的でした。

台湾の蔡英文総統もメルケル首相に負けず劣らず世界に存在感を示しました。自ら成果も語ってます。

4月28日のフェイスブックで「団結して試練を乗り越えてきた。世界が注目している」と語りました。

4月中旬以降感染者ゼロを続けているのですから誇って当然です。対応の早さは随一でした。

2月に中国人、3月に全外国人の台湾入りを禁止、マスクを政府で買い上げて全国民に配布という素早さでした。

台湾は2003年のSARSの流行で厳しい局面に立たされた経験がありそれが活かされているといえます。

中国の動向に対しても厳しく注視していて12月末の段階で武漢での感染流行の兆しをいち早く把握していました。

台湾はWHO=世界保健機関にも報告したと文書を示して情報公開しています。今後の論議の重要な素材を提供しています。

新型コロナウィルスは私のかねてよりの持論がリーダー論において実証されたといって良いと思います。

女性リーダーが有していると思われる資質を存分に発揮すべき時代環境にあるということです。

優れた女性リーダーは、ダメなものはダメとはっきりわかり易く伝え、そしてぶれません。

女性リーダーたちの方が私利私欲を超えて国家のため人類のために断固戦くという姿勢が明確な証だと思います。