新型コロナウィルス対応の政治学27

新型コロナウィルス対応の政治学の連載の中で日本にほのかに革命の匂いが漂ってきたと書きました。

公明党の山口代表が安倍総理にて国民一人現金10万円給付を直談判し対応策を急きょ変更されたことに関連してです。

山口代表の行動の背景には国民の怒りが確かにあると思ったので革命の匂いという表現にしました。

この匂いは弱まる傾向にはありません。検察官の定年延長問題に対する反対の意見表明から読み取れます。

著名人らがツイッターに投稿し反対世論を喚起しました。これも驚くべき動きだと感じました。

自分の仕事のことを考えると政治的課題について立場を表明することは一般には慎重であるからです。

更に加えて元検事総長を始め元検事たちが反対の直接行動に出ようとしたことにはもっと驚きました。

権力に逆らう言動から最も縁遠いと思われている方々の政治権力への異議申し立ては前代未聞です。

政府は検察官の定年延長を含んだ法案の採決を延期せざるを得ない状況にまで追い込まれたのです。

安倍政権が恣意的に人事を行った事例とされた東京高検の黒川検事長のスキャンダル辞任のおまけまでつきました。

ネットへの投稿の増加は、新型コロナウィルスの対応で活動自粛を余儀なくされているいらだちとの解説もあります。

私は、そのレベルの表面的な動きではないと見ています。もっと奥深くからの欲求に基づいていると思います。

ひとことで言えば革命への渇望です。現状を変革したいとの欲求が渦巻いてきていることの証ではないかと思います。

この先世論調査が行われれば国民意識の動向はより鮮明になってくると思います。来月の世論調査が注目です。

安倍内閣の支持率の急落の傾向が見えてくればその流れをとどめることは容易なことではないと思います。

熱病のように一気に広まったのではなく新型コロナウィルスの感染拡大のように潜伏期間があったと思うからです。

ここにきて表面化しているだけであって底流の流れはすでに広がっていて簡単に押しとどめることはできないと見ます。

安倍政権の危急存亡の危機の確かな兆候を読み取ることができると見るべきではないでしょうか。

安倍政権が維持できているのは新型コロナウィルス対応をしなければならないという事態に依存しています。

安倍政権は新型コロナウィルスという緊急事態によって自らの政権維持が危ういという緊急事態をしのいでいるのです。

野党があまりにだらしなく政権の受け皿になりえない状況がこの倒錯した状況を補強しているのが実情です。

私は日本は危急存亡の時に直面しているという思いに駆られます。日本政界に救世主がいないからです。

梶山静六さんや野中広務さんのように剛腕の政治的軍師が存在すれば、現状を放置することはありえません。

新型コロナウィルス対応財源の積み上げなどを条件にして連立政権の基盤強化を目論むと思います。

維新と国民民主を抱き込んで当面の政権基盤の安定を図るはずです。そうしなければ政権が瓦解するからです。