神奈川県小田原市、守屋新市政スタート3
守屋輝彦小田原市長体制になって方針転換をしていただきたいことがあります。広域行政についてです。
小田原市の事務局指導の広域行政運営を守屋市長の指導力で本来の政治主導に改めて欲しいと思います。
私の町長時代、最初は小澤良明市長でした。小澤市長はかなり自らの考え方を前面に押し出すタイプでした。
市町村合併問題も浮上しましたが小澤市長主導で事態は進んでいると受け止めていました。
加藤憲一市長になってから首長主導の色合いは薄くなったと感じられました。事務局が仕切ってました。
方針がすでに決まっている案件については事務当局が実務能力を活かして進めて行くのは当然のことです。
しかし大方針が固まっていない内容を事務局に預けるのは事務スタッフにとって荷が重すぎます。
本来ならば首長の責任で行うべき判断を事務当局に委ねられたらどうなるかちょっと想像すればわかります。
決められませんので時間ばかりが経過します。結果的に取り繕ったような玉虫色の結論が出てきます。
やるのかやらないのかさっぱりわかりません。各市町の意見の併記みたいなまとめになります。
議論すること自体が意味を持つのであれば効用はあるでしょうが決めなければならないとすれば時間の無駄遣いです。
現在、神奈川県西部地域が抱えている広域行政はすでに議論している段階ではなく決める段階です。
守屋市長が問題提起した小田原市立病院の建て替え問題は決める広域行政へと進めるかどうかの試金石です。
新型コロナウィルスの感染拡大を受けて松田町の県立足柄上病院は感染症防止の拠点となりました。
このため地域の中核的病院である小田原市立病院の受診に影響が及んだことは周知のとおりです。
加藤前市長はこうした状況の変化にも関らず市立病院の現在所在地での建て替えを急ぐ方針を堅持しました。
新たな市立病院の基本計画の策定が終わっていない段階で周辺道路の付け替えを予算化するほどでした。
加藤前市長としては迅速果敢に建て替え問題に注力している姿勢を市民に示したかったのかもしれません。
この判断は命取りになりました。対立候補の守屋新市長からやり玉に挙げられ批判されました。
私は守屋市長の判断がまっとうだと思います。市長の座に就いたからには方針転換を急いでほしいです。
最大の論点は県立足柄上病院と新たに建設する小田原市立病院との役割分担と地域の医療体制の強化です。
医療行政を担う神奈川県と周辺の市町も参加して地域医療のこれからを早急に議論して詰める必要があります。
再び感染症の拡大がないという保証はありません。地域医療を考える絶好の機会だと言えます。
守屋市長主導で首長主導で方向性を決める必要があります。事務当局任せにしては話はまとまらないでしょう。
地域医療の充実には当然費用が発生します。県や近隣市町も含めて費用負担を考える局面が出るはずです。
地域医療の充実と費用分担をはかりにかけて決定できるのは首長しかいません。首長主導が不可欠な理由です。