神奈川県小田原市、人口減少という国難突破の先進都市へ
NHKでは午後2時台に全国各地の放送局のお昼のニュースを紹介してます。
これを見ていると全国各地で何が今課題となっているかがわかり便利です。
大雨と猛暑、それと新型コロナ対応の関連ニュースでほぼ埋め尽くされていました。
新型コロナによる経済的な困窮に対し県独自の支援策や相談窓口の設置にニュースが相次いでました。
感染者がさして多くない地域においても新型コロナウィルスの猛威が浸透しています。
家計が苦しければ子供を産む余裕がある訳がありません。少子化がさらに進行します。
厚生労働省は今月5日昨年の人口動態調査の結果を発表しました。衝撃のデータでした。
昨年一年間に生まれた赤ちゃんの数は86万5236人で前年より53166人の減少です。
1899年、明治32年に統計を開始して以来最小の数だというのですから深刻そのものです。
死亡した数は138万1098人ですので差し引きすると51万5864人のマイナスです。
巨大都市一つ分が無くなったことになります。自然減の傾向は一段と激しくなりました。
神奈川新聞に人口減少問題研究の第一人者である松谷明彦さんのコメントが紹介されてました。
出産適齢期の女性がこの10年間で2割減少しているので出生者数の激減は当然であると述べてます。
問題は次の指摘です。新型コロナウィルスによる経済情勢の悪化との関係を指摘してます。
業績が戻らない業界もあり婚姻数と出生数はさらに落ち込むだろうと見ています。
出生者数を増やそうとするだけの政策は誤りで人口減少を前提とした社会を作るべきだと提言してます。
もっともな指摘だとは思いますが松谷さんの提言には重大な落とし穴があります。
人口減は止まらないのだから減るのは仕方がないとあきらめて様子を見る傾向を助長するからです。
私が住む神奈川県西部地域の中心都市の小田原市にそうしたリスクが実際に顕在化しました。
加藤憲一前市長はまさに松谷さんが指摘しているような見方を人口問題においてとっていました。
人口増は日本全体の傾向なので無理して人口増を図る施策をとることには慎重でした。
結果として20万人の人口は19万人を割るところまで落ち込んでしまったのです。
人口問題に対処するには人口増を図れる条件があるところは積極果敢に挑戦すべきなのです。
小田原市は全国有数の交通の利便性という破格の条件があるのに活用しませんでした。
人口を伸ばせる地域が何もしなければ日本全体の人口は減る一歩になるのは当たり前です。
ライフスタイルの変化でテレワークが増えることは地方にとって逆にチャンスです。
ゆったりとした空間で子育てをしてみませんかと特色をアピールすることができます。
小田原市は交通の利便性に加えてライフスタイルの変化というプラスの側面を更に得るのです。
これほど恵まれた都市があるのでしょうか。小田原市は千載一遇のチャンスを得たといえます。
小田原市で人口減少が進むようならば日本で人口を増やせる地方都市はありません。