江戸時代に学び新型コロナウィルスに対応する

1853年6月江戸湾入り口の浦賀に来航した4隻のアメリカの黒い軍艦が日本を揺るがしました。

日本は、この一撃で体制変換が起こりました。明治維新です。下級武士による革命です。

黒船来航で異国を拒否する「攘夷」運動が盛り上がったのに新政府成立後はその方針を捨てました。

日本の近代化を進めなければ欧米列強の植民地にされるという強迫感があったのだと推測します。

黒船来航から150年後の今日、日本を揺るがしているのは新型コロナウィルスです。

こちらも黒船と同様日本の体制変革にまでつながる必然性があると見ています。

しかし今度は150年前ほどわかり易い構造ではありません。最初から複雑怪奇です。

そもそも今回の黒船と言えるウィルスは目に見えません。見えない敵に襲われたのです。

伝播のスピードが半端ではありません。海を渡ってゆっくりとではなく飛行機であっという間です。

150年前はまだまだ閉じた世界でした。今は開かれたグローバル社会が大前提です。

そして150年前は欧米から、日本の場合はアメリカから黒船はやってきました。

今回は隣国中国から目に見えない存在として黒船はやってきました。発信源は大きく異なります。

見えない黒船に対し日本は閉じることによって、動かないことによって対抗しています。

開かれた経済活動を前提とするグローバル社会の原則と真逆の対応をとっているのです。

日本に限ったことではありません。世界中の国々が閉じた集団と化しています。

グローバル社会に慣れ切っている現代社会が近代化以前のシステムに戻ってしまっているのです。

無理が生じない方がおかしいです。激甚な副作用が起こってしまい悲鳴を上げています。

弱い立場の人たち、経済力がない国々の方が悲惨さはより激しくなるのが悲劇です。

世界中に襲い掛かっている現代の黒船に立ち向かう手段があるのかどうかが問題です。

日本には国を閉じながら発展を持続してきた貴重な歴史を有しています。江戸時代です。

世界に開かれた窓を持ちながら日本国内は自給自足を前提とする社会を構築してきました。

「文明としての江戸システム」と名付ける研究者もいます。この日本のアイデアを活かせないかです。

江戸時代の窓は、北海道(ロシア)、沖縄(中国)、対馬(朝鮮)、長崎(オランダ・中国)です。

現代において4か所に絞るというには非現実的です。しかし絞ることは選択肢です。

無制限に開けすぎてしまった窓を閉じることは大いに検討の余地があります。

もうひとつの江戸システムの柱である自給自足です。現代日本の最大の弱点となっています。

今後日本が目指す社会を構想し現代の黒船襲来への対応を図る重要ポイントだと思います。

何から何まで輸入すれば良いというのは脆い社会です。それが一国に偏ればなおさらです。

150年前沿度システムを捨てることによって日本は植民地となることを免れました。

今度は逆に捨て去った江戸システムの良さを取り入れて危機に立ち向かうべきだと思います。

 

 

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