先行き不安の守屋新市政

神奈川県西部地域の中核都市、小田原市の新市長に就任した守屋輝彦市長、出足でつまづきました。

私は直接選挙公報を見ていません。ひとり10万円と記載されていると報じられてます。

ネットで流れている公報を見ますと確かに書かれています。新型コロナ対策の項目です。

国の施策とは別に小田原市民に市独自で給付することかどうかが大きな問題となってます。

ひとり10万円で19万人市民ということになればそれだけで190億円の巨額な財源が必要です。

今年度の小田原市の予算は一般会計679億円です。28パーセントに当たります。

東京都知事に立候補している山本太郎さんのように借金すればできます。

財政基盤が段違いの東京都と小田原市を同列には論じられません。ハードルは高いです。

守屋さんは元県庁職員で県議も2期務めています。財政の基礎知識を知らないとは思えません。

しかし、守屋市長は国が給付している10万円のことを記述したと釈明しています。

この理屈は通りません。有権者の支持を得ようと意図的だったという疑念が消えません。

新人首長の場合は、スタートダッシュはとても大事です。注目が集まっている時だからです。

1998年2月に私が開成町長に就任した際も最初の1年の振る舞いには相当神経を使いました。

あいつは違う、とてつもないことをやりそうだと思ってもらえるように踊りました。

まず最初の議会で一切原稿を見ないで全て答弁をしました。役所言葉を避けました。

役場にじっとしていないで積極的に外に出て住民との対話集会を連発しました。

学校の行事では児童生徒たちに直接語り掛けて形式的なあいさつは一切抜きました。

ほどなく小田急線開成駅周辺開発の具体構想を明らかにしました。ダッシュをかけたのです。

求心力が一気に高まりました。最初に町民の支持基盤を強固にすることはその後がやりやすいです。

守屋市長も同じです。最初の一歩から加藤憲一前姿勢との違いを打ち出して行くべきでした。

ところが釈明に追われることになってしまったのです。このつまづきは大きいです。

本来ならば大きく羽ばたく土台を一気に作れるはずが逆に足元が揺らぐのですから。

4年間響きます。公約違反、不正な公約だとずっと言われ続けるのはしんどいです。

かといって不信感を一気に振り払う妙手はありません。正直に誠心誠意、日々務める以外にないのです。

一気に見方が変わるものではありません。じわじわと行くしかありません。

守屋市長は、市の財政調整基金を崩して思い切った対応をすると断言してました。

何を具体的に実施するのか今のところ不明です。こちらもあいまいなままだと反発が出ます。

守屋市政が晴れ晴れと打って出る日はさらに遠のきあっという間に4年の任期が来ます。

敗れた加藤憲一市長はまだ56歳です。捲土重来を期しても全くおかしくありません。

守屋市政、スタートダッシュが出来ず、公約違反を引きづったままだと4年後わからなくなります。

 

 

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