水系崩壊
昨日5時過ぎテレビをつけて目を疑いました。熊本県の球磨川水系で水害との一報でした。
被害の詳細は全くわかってなくNHKのアナウンサーは同じ内容を繰り返していました。
このところ毎週土曜日の午前10時よりオンラインで気楽な語り合いを続けてます。
足柄の歴史再発見クラブの有志の方々とです。昨日は私が治水について話題提供する番でした。
球磨川が集中豪雨で大きな被害が出ることを予想していたわけでは全くありません。
偶然の一致に驚くしかありませんでした。被害が徐々に判明するにつれて背筋が寒くなりました。
球磨川は日本を代表する急流河川として知られます。総延長は115キロメートルです。
国土交通省の資料によると人吉盆地や球磨盆地で200分の一から600分の一となってます。
200メートルから600メートルで1メートル高くなる程度の勾配ということです。
改めて地域を流れる酒匂川の勾配をチェックしてみました。酒匂川の方が急でした。
上流で100メートル、駐留で130メートル、下流で200メートルで1メートル高くなります。
異なるのは球磨川が国が管理する一級河川であるのに対し酒匂川は県管理の2級河川です。
河川整備の水準は球磨川の方が整っているといえます。それでも防ぎきれませんでした。
雨量が半端ではありません。気象庁の発表によれば3時間で200ミリ程度ということでした。
熊本県の年間雨量は2000ミリ程度ですので3時間で1年分の一割降ったことになります。
統計を取り出してからいまだかつてないという表現が使われてました。記録的豪雨です。
判明しているだけでも堤防決壊が1か所、洪水か所が10か所に及んでます。
上流から下流まで球磨川水系全体が崩壊したと言って良いと思いました。
自らの地域で同様の集中豪雨が発生したらどうなってしまうのかとの恐怖感を覚えました。
猛烈な雨を降らせる積乱雲の流れがポイントです。西から東へと流れた結果が今回の豪雨です。
積乱雲を真正面から受け止めるかのように急峻な山がそびえており猛烈な雨を降らせます。
私の住む神奈川県西部地域でも2010年9月8日に記録的集中豪雨が発生しました。
南からの風に乗って雨雲が西丹沢の山並みにぶつかり酒匂川の上流に猛烈な雨を降らせました。
1時間で100ミリ越え3時間雨量で見ると200ミリに達している時間帯があります。
酒匂川は上流で河岸がえぐられた個所はあったものの堤防の決壊はなく洪水もありませんでした。
両者を分けたものはなんであったか詳細な検討が不可欠だと思いました。
それと気象庁は6回にわたり記録的短時間豪雨情報を発したと繰り返しています。
深夜から明け方にかけて情報発信をいくらされても土砂降りの中避難しようがありません。
避難誘導の在り方がまたもや重大な課題となっています。事前の方策が不可欠です。
豪雨が深夜に予想されるのであれば遅くとも夕方までに準備をしなければ意味をなさないからです。