新型コロナウィルス対応の政治学35~都知事選4

今回の東京都知事選挙をひとことで総括すると小池百合子都知事のための選挙だと思います。

おやじギャグをひとこと言わせてください。小池都知事のしたたかさには、「舌」を巻きました。

自民党きっての手練手管の持ち主、二階幹俊博事長を掌の上で踊らせ対抗馬の出馬を阻止しました。

二階幹事長が党内基盤を強固にするため小池都知事との連携を欲していると読んでの動いたはずです。

小池都知事にとって二階幹事長とのパイプは自民党東京都連の反小池の動きの封じ込めに直結します。

まんまと成功しました。そして最後の最後には自民党の推薦をけるのですからただ者ではありません。

自民党との関係で一番の課題は対抗馬を出させないことで自民党の推薦ではないということです。

小池都知事のしたたかさは都知事選挙と同時に行われた北区の都議補選に表れています。

選挙は、自民党の新人候補が公明党の支持を得て圧勝しました。自公体制の強さを示しました。

この補選には小池都知事の秘書を務めたことのある元タカラジェンヌが出ています。

5人中4位ですので惨敗です。所属会派は小池都知事を支持する都民ファーストの会です。

都民ファーストの会は3年前の東京都議選で一大旋風を巻き起こし現在も50人の勢力を要してます。

北区補選の結果を見ると都民ファーストの会の勢いは完全に止んだのかと思ってしまいます。

しかし、よくよく考えてみると裏があるのではないかと思うようになりました。

小池都知事は積極的支援をしてません。最後の最後になって支援の動画を配信してます。

小池都知事が本気で当選させようと動けばできたはずです。366万票とったのですから。

北区で97776票です。都議補選の元タカラジェンヌの得票は23186票です。

自公体制との激突を避けて落選することを承知でどのくらいとれるか瀬踏みした可能性があります。

自民、立民、維新、都民ファースト、それとホリエモン新党の選挙戦でした。

自公体制で52225票に対して44パーセントの得票ですのでまずまずと思ったのではないでしょうか。

自公体制とガチンコ勝負をするよりも優雅に敗戦を受け止めた方が得策だとの策略だったと思います。

自分の元秘書ですのでその後のフォローはいくらでもできるはずです。怨念は残りません。

ただし3年前のように小池都知事だ、都民ファーストだというだけで他を圧する時代は過ぎました。

都民ファーストの会は、生きるも死ぬも小池都知事の勢いに依存しています。

地域に根が張っているの訳ではありません。勢いに陰りが見えたとたんに倒れます。

来年の6月に実施される東京都議選は今回の都知事選で存在感を強烈に示した小池都知事に正念場です。

オリンピック・パラリンピック直前の選挙です。イベントが順当に開催されるのならば有利です。

しかし新型コロナの影響でオリンピックの開催はどうなるかは不透明です。中止になれば逆風です。

小池都知事の命運を知っているのは天のみでしょう。人知では予測するのは困難です。