IR誘致、横浜市の本気度は???

昨日のブログでIR=統合型リゾート施設の誘致をめぐる神奈川大学の講義を紹介しました。

講義のゲストに招いたIRの運営企業、メルコの日本法人の責任者による熱血プレゼンは圧巻でした。

聴講した学生からの反応を読むと情熱だけでなくデータによる根拠の提示に説得力を感じてました。

私も同感でした。日本は、パチンコを中心に年間23兆円のギャンブル市場を持っています。

収益は4.2兆円です。ラスベガスのあるアメリカネバダ州は1.3兆円です。

日本はすでにギャンブルの下地があると見てIR企業は日本に期待を寄せています。

IR企業はこうした状況下の日本に参入して最先端の治安対策や依存症対策を実施するとしてます。

シンガポールの事例によればカジノを含むIRを誘致しても犯罪件数は増加していません。

依存症は、開業後明らかに減少しました。一方で観光客数は顕著な増加が見られます。

官民一体となって取り組むことで効果を上げたと見ていて横浜でも実現したいと意欲を示してました。

IRとディズニーに代表されるテーマパークとの違いについても明確に解説してました。

ディズニーは、閉じた空間でディズニーの世界観を楽しむ施設であるとしていました。

IRは開かれていて日本ならではの質の高い都市空間を創ることに違いがあると強調してました。

メルコからの情熱あふれる説得力のある議論を受けて学生は認識を新たにしたようでした。

賛成するか反対するか慎重に判断するとして考える素材は提供できたと思いました。

メルコの講義があった同じ日に横浜市の林文子市長がIR導入に向けて動画を公開しました。

時間は、45分。私は、昨日全編視聴しました。メルコのプレゼントとの落差にがく然としました。

いかにも行政が作った感じの真面目で暗くあれもこれもてんこもりでインパクトがありません。

メルコの熱血プレゼンを聞いた直後だからかもしれませんがこれでは市民に伝わらないと思いました。

神奈川新聞の世論調査によれば横浜市民の66%が誘致反対ということです。

しかも新型コロナに直撃されているのです。土俵際に追い込まれたような状況と言えます。

この局面で動画を公開するということは横浜市の命運をかけてIRに取り組むということになります。

そうした危機感も切迫感もありません。内容はこれまで述べてきたことと代わり映えがありません。

私のように講義の必要上視聴するものは別ですが一般の方はまず見ようとはしないと思います。

関心の高い反対する方々にとっては何度も聞いている内容なのでいまさらという思いではないでしょうか。

横浜市の本気度を疑います。林市長はもっと危機感を前面に出すべきではないでしょうか。

横浜市としては市民の間でもっと関心を持ってもらおうと動画を作成したはずです。

議論の素材として提供したはずです。その意図は市としては当然のことだと思います。

しかし動画があまりにお粗末です。横浜市のIR誘致はがけっぷちに立たされつつあると思います。