立憲民主+国民民主=立憲民主(民主)???
衆議院の解散総選挙がこの秋にも行われるのではないかとの観測が流れ立憲民主党と国民民主党の合流話が表面化しました。
両党の最大の支持母体である労働組合の連合が選挙で股裂き状況に追い込まれるのは避けたいという強い意向が背景にあると思います。
立憲民主党の枝野幸男代表がインタビューに答えて一日も早くまっとうな政権を作れるようにと語ってました。
このことばをそれこそ「まっとうに」受け止めている国民はどれほどいるのかと思うと苦笑いしたくなりました。
立憲民主党と国民民主党が合流して立憲民主党という新党ができ、両党が中心となる政権なんて見通せないでしょう。
連合の意向を受けて両党の合流を果たし多少でも選挙が戦いやすくなりたいというのが偽らざる本音だと思います。
国民に見透かされるような歯が浮くような大義名分を掲げてもだれも信用しません。悪いくせはいい加減にして欲しいです。
枝野代表率いる立憲民主党が本気で政権を取る気があるのならば昨年夏の参議院選挙でなぜ戦わなかったのでしょうか。
消費税の5%への税率引き下げで令和とも共闘を結び徹底抗戦の構えを示し衆参同日選挙も辞さずとなぜ攻めたてなかったのでしょうか。
中途半端な態度をとり続けて立憲民主党は17議席しか獲得できず勢いを失い、その傾向は今日まで続いています。
一方、希望の党を引き継いだ国民民主党の惨状はいまさら言うまでもありません。直近のNHK世論調査で0.7%です。
立憲民主党にしても4.9%ですので両党仮に合わせたとしても5.6%で存在感ありません。ちなみに自民党は、32.2%です。
両党が合流して新党を結成することがまっとうな政権を作ることにつながるという発言は単なる言葉のお遊びに過ぎません。
立憲民主党は基本姿勢として反対一辺倒、国民民主党は、政策重視で提案型、是々非々の雰囲気があります。
国民民主党は、現在の路線を堅持して立憲民主党との姿勢の違いを地道に示して行くことの方が独自性を活かせると私は思います。
いっしょになって存在感を失いかつての民主党がよみがえってきただけに終われば何のための合流かということになります。
2009年9月鳩山由紀夫民主党政権に寄せた国民の期待は大きかったです。すぐに絶望に代わってしまいました。
菅政権、野田政権と左に右にと揺れた続き民主党政権は、2012年総選挙で惨敗し崩壊しました。絶望を超えて悪夢と言って良いです。
民主党という言葉を聞いてまだこの記憶を国民は失っていないと私は思います。過去の悪霊がまた蘇ったと思うのではないでしょうか。
政治は、立民、国民の両党を支える労働組合のためにあるのではありません。国家と国民のためにあるのです。
二番煎じ、三番煎じの合流劇に無駄な時間を費やすのではなくアフターコロナ時代のこの国のかたちに議論を集中させたほうが良いです。
特に国民民主党は支持率からして失うものはありません。合流ではなく大胆不敵な独自路線を示して欲しいです。