地方議員の皆さん、スイッチオンに!
おととい、昨日と晴れ間がのぞき、久しぶりに陽の光を浴びることができました。
我が家の庭の土の中からもごもごとはい出てくる小さな生き物を孫君が見つけました。
セミの幼虫でした。あじさいの枯れ花摘みをしていた妻は至る所でセミが木に登っていたと言ってました。
気温の上昇か何らかの刺激をセミのセンサーが受け止め動き出したのだと思います。
そろそろ土の中から外に出て成虫になれという自然界のサインでスイッチが入ったのです。
「政治の本質は例外状況にある。その時の決断こそが重要なのだ。」と喝破した人物がいます。
ドイツの政治哲学者のカール・シュミットです。ナチスにも協力した学者として知られています。
過去の経歴はともかくその分析は鋭利な刃物で切り裂くような鋭さがあります。
新型コロナに直面している私たちは今まさにシュミットが言うところの例外状況の中にあります。
政治の本質を体現するのが政治家だとするならばこの状況に反応しない政治家は名ばかりの存在です。
神奈川県内の地方議会に所属する議員の過半の方々は本物の政治家でない人が多数派のようです。
神奈川新聞の調査によると6月の議会で6割の議会が質問を縮小したりして活動を自粛したということです。
シュミットの論に従えば非常事態が発生しスイッチが入るはずなのに逆の反応が出たのです。
これをどう捉えれば良いのか頭を悩まします。行政が対応に忙しいと忖度したのだと推測します。
新型コロナ対応は自らの仕事ではないと判断する逃げのスイッチが入ってしまいました。
日本の地方制度は首長も議員も直接住民の選挙でえらばれる二元代表制度です。
首長が率いる行政組織と議長を頭とする議会は対等の関係にあるのが建前です。
議会は議会として住民のニーズをくみ取り行政にぶつける場として議会を開催するのが流れです。
そうしないということは新型コロナ対応は行政にお任せするのが適当だと判断したことになります。
非常時における行政への委任を行政をチェックすべき議会自らが率先して行ったのです。
過去の経験から照らしてこの行動は危険です。非常時こそダブルチェックが必要です。
一方的に全てを行政に委ねてしまうことで住民のニーズをくみ取り切れない恐れがあります。
それどころが一部の住民の人権を犯していることを見逃してしまう可能性もあります。
行政とは別に議会は議会として住民のニーズを把握してぶつけあう場が不可欠だと思います。
非常事態にある今こそ積極的に行政との接点を求め討論する場を設定すべきだと思います。
議員各位は、議長や副議長選挙にかけるすさまじいエネルギーを見つめ直してもらいたいです。
その情熱の攻めて半分でも、いや三分の一でも新型コロナ対応に充てて欲しいものです。
夜な夜な集まり多数派工作に血道を上げる姿は非常事態を受けてスイッチオン状態そのものです。
地域社会全体が非常事態なのですから本来ならばもっと真剣に議会活動に取り組むべき時期です。