米中冷戦時代の到来と日本3~米中対立と尖閣諸島~

米中対立が激化してきて日本人として一番気がかりなのは尖閣諸島の領有問題でしょう。

尖閣諸島は日本が2012年9月に国有化し実効支配を続けています。

中国は猛反発しています。米中対立はこの問題にどう左右するのでしょうか。

南シナ海での中国の海洋進出はあからさまです。有利な国境線を設定し軍事基地の建設を進めてます。

尖閣諸島周辺においては軍事基地建設はありませんが沖合で天然ガスの採掘は進められています。

日本の領海のすぐ外側の接続水域で中国の公船が100日間連続で航行していると報道されてます。

中国としては尖閣諸島は断じて固有の領土であり日本の実効支配を覆すということだと推測されます。

米中対立が深刻になり仮に南シナ海で軍事衝突が起きたら日本は、尖閣諸島問題にどう対処するのでしょうか。

南シナ海での米中対立は尖閣諸島の問題に直接波及してくるのは間違いないところです。

尖閣諸島の5島の内の2島は日本政府がアメリカ軍の航空機の射撃訓練場として提供しているからです。

中国からの攻勢があった場合にどう対処するかを明確にしておくことは当然だと思います。

尖閣諸島は日本の領土ですので日本が守るのが原則ですが、守り切れるのかです。

米中対立の激化がはっきりした今こそこの辺りの実態を国民に対し明示することが必要です。

日本は、こうした軍事上の重大問題に関する冷静な論議が不足しているように思えてなりません。

防衛省の軍事専門家の間では検討がなされているとは思いますが国会の論戦などを通じて外に出ません。

国民の理解が進んでいない中で万が一の事態が発生するとパニックになりかねません。

あらゆる可能性に備えて準備し、その情報をできる限り公開して国民の理解を得る努力が大切です。

中国の一連の動きから推測すれば断固たる姿勢で尖閣の領有を目指すと見て間違いありません。

天然ガスという海底資源だけの問題ではありません。中国の軍事戦略と密接不可分です。

軍事専門家によれば、中国にとって尖閣諸島はのどから手が出るほど欲しているというのです。

中国は現在海洋進出を進めています。海洋との出入り口に尖閣諸島は位置しているからです。

日本が実効支配していれば中国の海軍の行動は監視されてしまい都合が悪いです。

中国の遠大な長期展望を単なる大風呂敷と侮ることは日中戦争と同じ愚を犯すことになります。

日本は中国の軍事力を軽く見て大失敗しました。大陸の奥深くまで誘い込まれてあえいだわけです。

毛沢東らは、誘い込んだ日本をアメリカとソ連の力を得て叩くとの画を描いていたと言われます。

中国は今世紀中葉にはアメリカに負けない社会主義強国となることを宣言しています。

ほらではありません。着実に歩を進める計画性を有していると見るべきです。

米中対立はそうした中国の長期戦略の中で避けられない戦いだと思います。

尖閣諸島をめぐる日本の対応をどうするかは米中対立の時代における日本の試練です。