米中冷戦時代の到来と日本6~メディアの使命~

米中対立について延々と書き続けてます。もう飽きたと思ってられる方もいられるでしょう。

あと2回書かせていただきます。この問題は新型コロナ以上に長期化するのは確実です。

新型コロナは大変な事態になっていますがワクチンや薬ができれば収束に向かいます。

米中対立はそうはいきません。両大国が方向を決めてしまえば当分の間続きます。

中国共産党は建国100年の2049年までに「社会主義強国」となると宣言しています。

「社会主義強国」とはアメリカと並ぶ世界の大国の地位を占めるということにほかなりません。

アメリカは中国の挑戦に受けて建つことを鮮明にしたのが昨今のトランプ大統領の姿勢です。

トランプ大統領の気まぐれではなく野党民主党の基本的な姿勢も同じ方向を向いてます。

米中対立は収まることはありません。2050年までは続くと見るのが常識でしょう。

これから30年の日本を取り巻く世界情勢の基調が激変するのです。のんきにしてられません。

政府そして与党はもちろんのこと、野党も地方政府も国民も関心を最大限高める必要があります。

何度も書いてますが明治維新を引き起こすきっかけとなったアヘン戦争以上のショックです。

180年前負けるはずのない強大な国家と思い込んでいた清国がイギリスに敗れました。

日本は西欧列強の植民地にされるという恐怖から明治維新を興し近代国家の道を歩みました。

明治維新を起こした志士たちのように日本国の存続の危機だとして事態を直視する必要があります。

明治維新の時以上に困難な情勢です。世界一の超大国・アメリカと強大化した中国との争いです。

アメリカは、戦後日本にとって最重要国家です。アメリカが威信をかけて立ち上がったのです。

中国は1972年の国交正常化から関係が始まり今や最大の貿易相手国となっています。

この両国の対立激化なのです。幕末の時と同じように日本を揺るがす一大事件と見るのは当然です。

メディアの論調も腰が引けた言い回しか、反中国の視点からの論評です。

メディアの役割を果たしてません。逃げたり興味本位ではなく真正面から情報提供すべきです。

米中両国の偶発的な軍事衝突が起きてから大騒ぎというのでは冷静な議論ができません。

私自身も元政治記者です。振り返ってみて、この手の骨太の課題を扱うのが日本のメディアは苦手です。

メディアとして一大テーマとして掲げるのではなく政府の動きを見ながらおっかなびっくりです。

特に私がいたNHKはそうです。下手に騒いで政府からにらまれるのが怖いのです。

これでは日本を代表するメディアの役割を果たせません。国策を誤る原因になります。

今こそNHKの使命を果たすべき時期だと思います。米中対立を真正面から取り上げて欲しいです。

公共放送には、国民に一大事が発生しているということを伝える使命があります。

国民の間で議論を呼び起こし冷静に選択肢を探る環境を整えることはNHKの使命だと思います。