米中冷戦時代の到来と日本 番外編2~金正恩委員長~

米中対立の激化をどう見ているか聞いて見たくてたまらない人物が一人います。

北朝鮮の金正恩委員長です。厚いカーテンの向こう側を覗いてみたいです。

北朝鮮は中国と国境を接し経済は中国にほぼ完ぺきに依存していると言われています。

ジェトロ=日本貿易振興機構によれば2019年の北朝鮮貿易の95.2%とされます。

北朝鮮に対しては国連による経済制裁がかかっており外貨獲得が困難な情勢です。

中国との貿易が頼みの綱でしたが新型コロナの感染防止策として国境閉鎖しました。

韓国との南北和解は、北朝鮮自ら6月に開城の連絡事務所を爆破し破綻しました。

北朝鮮は自給自足で行くしかなく経済破綻は時間の問題だと見ても不思議ではありません。

こういった状況下で米中間の対立が激化しました。北朝鮮が黙って見ているとは思えません。

何か活路を見いだせないか様々な可能性を模索しているはずだと思います。

日本政府として北朝鮮の動向把握能力がどの程度あるか私は全く門外漢です。

大したルートがあるとは思えません。あるのならば拉致問題などでもっと情報があるはずです。

情報収集力の弱さは日本の外交力にとって弱点であり続けているように見えます。

常識的に観て北朝鮮の金委員長は経済危機の局面打開を欲しているはずです。

日本として水面下で北朝鮮と交渉し何らかの妥協の余地がないかどうか探る時期だと思います。

核開発と弾道ミサイルで譲歩を引き出し、経済支援を見返りに実施することになります。

国連決議が前提としてありますのでアメリカとの綿密な連係プレーが絶対条件となります。

日本独自の隠密外交ではなく日米同盟の緊密な連携で北朝鮮との接点を探るべきです。

韓国はこのブログシリーズで記したように中国への傾斜を強めているとみるべきです。

日本は韓国を抜きにアメリカと協議して北朝鮮にアプローチすべきです。

アメリカとの間を日本が取り持ち何らかの合意へと導けたとしたら日本外交の金字塔です。

日米連携で米朝間の和解へ一歩でも前進出来たら中国と韓国両国へのくさびとなります。

日朝間の懸案の拉致問題の前進に大きな効用があることも確実です。

日本の外務当局にこのような大仕掛けを打つ妥協と技量があるかどうかが最大のネックです。

米中対立時代において日米同盟基軸という基本線を確固たるものとするチャンスです。

その上で米朝、日朝間の懸案解決の端緒が得られ、更に中韓両国に圧力を加えられます。

一挙3得の妙手だと思います。日朝直接対話を仕掛けられる人物はいないでしょうか。

1990年の金丸信元副総理の訪朝は当時の社会党がルートでした。

2002年9月の小泉純一郎総理の電撃訪朝は外務省の外交官が仕掛け人でした。

日本国のために身を投げ打つ覚悟のある人物ならば肩書なんて関係ありません。

我こそはと思う人物が登場してくれば、世界の難問解決の道筋をつける任務を負います。

そうした人物を使うのは総理の決断となります。一世一代の大勝負です。