米中冷戦時代の到来と日本 番外編3~NHK日曜討論~

番外編2で打ち止めにしようと思っていたら昨日NHKの日曜討論で米中対立を取り上げてました。

専門家3氏による討論でした。NHKですので突っ込みが弱く面白みには欠けました。

大きな論点は提示されました。しかし、尖閣問題のような微妙な問題は触れてませんでした。

時間の都合だったのかあえて題材としなかったのかはわかりません。

視聴者のひとりとして見た時に尖閣や在日アメリカ軍のような問題が外されるとつまらないです。

当たり障りのなことばかりを議論して格好だけつけているように思えてしまいます。

米中対立は日本の未来図を描く際に重大過ぎると言っても良い決定的な問題です。

NHKは公共放送として様々な角度から掘り下げて視聴者に考える題材を提供する責務があります。

その際に熱い議論となりそうな課題を避けてしまっては議論する意味がありません。

そこを上手く整理しつつ冷静に議論する場を提供するのがプロのコーディネーターです。

腰が引けた議論進行では視聴率は上がりません。田原総一朗さんを見習ってほしいです。

昨日の専門家諸氏の討論で米中対立の今後も含めて大きな流れは示されてました。

アメリカの対中姿勢は誰が大統領になっても変化はないということがまず挙げられます。

その理由は議会が一枚岩であるということです。共和党、民主党関係ありません。

これに対し中国側の姿勢にも変化はないということです。アメリカの言いなりにはなりません。

これまでの中国の南シナ海での姿勢を許容してきたのに変心したのはアメリカだと主張してます。

ゲームのルールを変えたのはアメリカでありそのアメリカになぜ従うのかという理屈です。

結果として米中対立は激化しこの状態が基本としては続くこととなります。

日本としてどう対応するのかということについては3者3様の意見でした。

ひとりは自由と民主主義を守る体制の一員として日本は振る舞うべきだというものです。

現状を変化しようとする中国に対し自由と民主主義を守る一員として自制を求めるということです。

もうひとりは、自由、民主主義を大切にするのかそれとも経済重視かの二者択一という見方です。

この方は、元民主党の衆議院議員の経験もある女性ですが自由と民主主義を重視してました。

もうひと方は中国人の女性研究者です。日本の問題として米中対立を捉えて欲しいと述べてました。

これまで日本はこうした国際問題について全てアメリカに従うというのが通例でした。

今度はアメリカ一辺倒ではなく視点を変えて考えて欲しいということだと思いました。

米中対立問題を考えるということは日米問題と日中問題を考えることそのものです。

日本として今後30年どのような基本姿勢で臨むのかを決める時期に直面しています。

絶対におろそかにできません。政治家だけでなく国民一人一人が考え抜く課題です。

国民に対し選択肢を提供する役目を担うのがメディアです。公共放送の果たす役割は大きいです。